「デートカー」で流行も、衰退の一途をたどっていたクーペにふたたび脚光!?
かつては、ホンダのプレリュード、日産のシルビアなど、デートカーとして一世を風靡したものの、近年は衰退していたクーペが形を変えていま、ふたたび注目を集めつつある。
欧州のメルセデスベンツやBMWはセダンながらクーペルックをもつ“4ドアクーペ“を相次いで投入しているほか、近年大流行しているSUVでも、ホンダのヴェゼルやトヨタ ハリアーなどの国産勢を筆頭に、欧州車もクーペのように車体後端をなだらかに傾斜させた“クーペSUV”が多数投入されている。
なぜいまクーペルックの車が増えているのか?
文/御堀直嗣 写真/TOYOTA、BMW、GM、HONDA、SUBARU、MAZDA
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■人気SUVにもクーペルック多数
世界的にSUV(スポーツ多目的車)の人気は堅調で、さらに近年ではコンパクトSUVの販売が好調だ。そうしたなかで、目につくのは、SUVでありながらクーペのように車体後端がなだらかに傾斜し、流麗な姿を採り入れた車種があることだ。
そもそもという話をすれば、SUVは、悪路走破を第一の性能と位置付ける本格4輪駆動車に比べ、より身近な車種であるとはいえ、最低地上高を確保することにより未舗装路も走れることを利用し、郊外での野外活動などを行う道具を運んだりするのに便利な実用性が人々に愛用される魅力だ。
荷室の容量が大きいことが求められ、ステーションワゴンのように車体後半は屋根が高く、後端のハッチバックまで荷物を載せやすい形が重要だった。
クーペのように屋根をなだらかに低く下げていったり、ハッチバックを寝かせた造形にしたりすれば、そのぶん、荷室容量は減ることになる。それでも、クーペのような造形を採り入れたSUVが目につく昨今である。
たとえば日本車では、トヨタのハリアーは2003年の2代目からこうした傾向を強めている。
レクサスもNXは当初からハッチバックが傾斜した造形で、開発の狙いは「プレミアム・アーバン・スポーツギア」とした。そのようにSUVでも都市での日常的な利用を重視した車種は、積載性という実用性より見栄えのよさに比重を置いた外観となっているようだ。
ほかにも、トヨタ C-HRやホンダ ヴェゼルなども、造形を重視する様子が見える。逆に同じトヨタでも、RAV4やランドクルーザーなどは実用性重視の外観で、うまく棲み分けもできているのではないか。
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