メルセデス・ベンツ注目のEV市販車「EQS」は正統派と一線を画す!!

■メルセデスの電動化への本気がうかがえるデジタルのクオリティ

 クルマとしての性能、エクステリアデザインと、まさに「パーフェクト」なEQSであるが、インテリアこそが、EQSの「見せ場」かもしれない。前席の目の前に広がる「MBUXハイパースクリーン」は、ドライバー側のAピラーから助手席側のAピラーまでつながっているのだが、3つのスクリーンで構成されているもので、それをカバーガラスの下に納め、1つに繋がっているように見せている。

EQSにオプション設定される「MBUXハイパースクリーン」(MBUX:メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)。全面フラットな表示パネルで、タッチ操作での感触を振動でフィードバックする
EQSにオプション設定される「MBUXハイパースクリーン」(MBUX:メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)。全面フラットな表示パネルで、タッチ操作での感触を振動でフィードバックする

 助手席用の12.3インチディスプレイは、助手席に乗った人向けのディスプレイとなる。テレビを見ることもできるが、ドライバーが助手席のディスプレイを見ていることを車載カメラが検出すると、自動的に暗くなるなどの対策がなされている。そうした仕様は、国ごとの法規制に従うことになっているそうだ。

 また、オプションで、フロントとリアにオートドアが装着できる。ドライバーがクルマに近づくと、まずドアハンドルがせり出し、さらに近づくと、運転席のドアが自動で開く。また、MBUX(音声認識)を使用すれば、ドライバーは運転席にいながら、後部ドアを開けることも可能だ。

 EQSは、製造段階でもCO2を削減した「カーボン・ニュートラルな方法で生産」されているそうだ。また、リサイクル糸を使用したカーペットなど、省資源化素材も採用している。さらには、2020年、アマゾンとメルセデス・ベンツ社が手を組み、ヨーロッパでアマゾンが使用する車両に、メルセデスの電気自動車バン「eVito」と「eSprinter」を納入することを合意した、というニュースも流れた。

 メルセデス・ベンツは、「2039年から全乗用車をカーボン・ニュートラルにする」という目標のもと、「アンビション2039」という将来戦略を立てている。まずは2030年までに、同社は販売する自動車の半分以上に電気駆動システムを搭載する計画だそうだ。ここでいう電気駆動とは、ピュアEVとプラグインハイブリッド車のみであるということだ。ハイブリッド車も含む日本とは違い、メルセデスは、本気で変えようとしている。

 筆者は電動化の流れを懐疑的にみているひとりだ。しかし、本当にこの言葉どおり実現できるのであれば、それはすごいことだと思う。EQA、EQBなどの後続するコンパクトEQシリーズを、売れ筋のAクラスやCクラスの代わりになる存在にまで引き上げることができるのか、今後に期待している。

【画像ギャラリー】メルセデス・ベンツ、世界初公開の新型ラグジュアリーEV「EQS」を写真でチェック!!

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