R32型からR34型のRB26DETTエンジン+アテーサET-Sを搭載したいわゆる第二世代のスカイラインGT-Rは、R33型もアメリカの25年ルールに適合するようになったこともあり、中古車価格の高騰が著しい。
この種のクルマは完全に趣味のものなので「自分が欲しい、好き」というものを選べばいいのだが、第二世代GT-Rの中古車価格がここまで高騰してくると、登場から14年目となっても現行型となるR35型GT-Rとも中古車価格は比べられるものとなっている。
そんな背景もあり、当記事ではR34型までのスカイラインGT-Rと、カリスマエンジニアである水野和敏さんが開発責任者を務めた2013年モデルまでのGT-Rの中古車価格を紹介しながら、迷ったらR35型の中古車も検討する価値がある理由を考えてみた。
文/永田恵一、写真/NISSAN
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■GT-Rの中古車価格
●R32型
1989年登場のR32型スカイラインGT-Rの中古車は中古車検索サイトを見ると原稿執筆時点で57台が流通しており、価格は300万円からだ。
中心となるのは500万円台からで、500万円台になると走行10万km以下のかなりノーマルに近いものも流通している。750万円を超えると走行5万km以下のほぼフルノーマルというものや1000万円超えるもの数台もあり、価格応談というものも少なくない。
なお、1993年登場の後期型で登場したブレンボのブレーキを装着したVスペックは両手で数えられるくらいしか流通していない。
いずれにしてもR32型スカイラインGT-Rは新車価格が基準車で消費税抜き450万円程度、Vスペックでも530万円程度だったことを考えると高値安定だ。
現在のR32型スカイラインGT-Rの中古車価格を見ると、現在41歳の筆者が1998年に運転免許を取得したときにはR32型スカイラインGT-Rの中古車が200万円で十分手に届き、中には100万円というものもあったのを思い出し、時代の変化を痛感する。
●R33型
1995年登場のR33型スカイラインGT-Rの中古車は原稿執筆時点で46台が流通しており、価格は400万円からとなる。中心となるのはR32型同様に500万円台からで、500万円台になると走行5、6万kmのフルノーマルに近いものもそれなりにある。
650万円を超えると走行5万km以下のフルノーマルに近いものも数台あり、最高価格は1699万円で、価格応談というものもかなりある。
R33型スカイラインGT-Rの中古車も新車価格が基準車で約480万円、アクティブLSDなどが付くVスペックでも530万円だったことを考えると高いが、性能や年式などを考えると以前とは意味合いは違うにせよ、現在もR32型よりはリーズナブルといえるかもしれない。
●R34型
1999年登場のR34型スカイラインGT-Rの新車価格は基準車/約500万円、リアディフューザーなどのエアロパーツやアクティブLSDが付くVスペック/約560万円。
2001年に加わったラグジュアリーな面も持つMスペック/595万円、2002年にファイナルエディションとして合計1000台限定で販売された、より強度の強い俗にN1エンジンと呼ばれるものを搭載したVスペックIIニュル/610万円、Mスペックニュル/630万円だった。
それが原稿執筆時点で43台が流通する現在の中古車価格はいきなり新車の倍以上となる1280万円からである。中心となるのは1500万円以上で、2000万円台が4台、VスペックIIニュルになると3500万円前後で、流通している半数以上は価格応談となっている。
生産台数が少ないのに加え最後の第二世代スカイラインGT-Rということもあり、R34型スカイラインGT-Rの高騰は分かってはいたものの、久しぶりに中古車価格を詳細に調べてみるとただただ驚くばかりだ。
●R35型
2007年登場の現行型R35GT-Rの中古車価格は428万円からで、500万円台になると2008年式5万km以下というものもそれなりに流通している。
600万円台は走行距離が5万km以下となる2010年モデルまでの1回目のビッグマイナーチェンジ前(前期型)が多い印象で、700万円台になると2011年モデルから2013年モデルまでの1回目のビッグマイナーチェンジ後(中期型)が増えてくる印象だ。
800万円台以上は開発責任者を水野和敏さんから引き継いだ田村宏志さんが手掛けた2014年モデル以降が中心となる。
R35型GT-Rも、現行車ではないため中古車価格の高騰が止まらない第二世代のスカイラインGT-Rほどではないにせよ、2013年モデルまでの基準車の新車価格が777万円から875万円だったことを考えると値落ちは非常に少ない。
これは水野和敏さんがGT-Rの開発コンセプトに「価値が落ちない=中古車価格の維持」という点も盛り込み、独ニュルブルクリンクでのテストを通した耐久性の向上に代表される様々な努力を行った大きな成果といえる。
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