42歳で逝去した日本人ミニカーデザイナー リュウ・アサダ氏の魅力あふれる作品を紹介

■リュウ・アサダ氏とはどんなデザイナーだった?

ホットウィールでデザイナーとして活躍したリュウ・アサダ氏。ホンダ車を愛し、ホンダ車のミニカーを数多くデザインしてきた(ホットウィール公式インスタグラムより)
ホットウィールでデザイナーとして活躍したリュウ・アサダ氏。ホンダ車を愛し、ホンダ車のミニカーを数多くデザインしてきた(ホットウィール公式インスタグラムより)

 ホットウィールに日本車が増えたこと、そしてそれらが世界的に人気を博していること。その立役者のひとりが、リュウ・アサダ氏である。1978年に大阪府で生まれたアサダ氏はホンダ車を愛し、ホンダ車のミニカーを数多くデザインしてきた。

 幼少期からホンダ車が好きで、幼い頃から驚くほど正確にホンダ車の絵を描いていたという。彼の作品の中に大阪ナンバーがついたホンダ・プレリュードがあるが、これはアサダ氏が少年時代に父親が乗っていたクルマである。

 アサダ氏はオレゴン大学で物理学の学位を取得したあと、カリフォルニア州パサディナにある美術系大学、アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン(以下アートセンター)で自動車デザインを学んだ。

 クルマ好きの方ならもしかするとご存知かもしれないが、アートセンターのトランスポーテーションデザイン学科は奥山清行氏(GM/ポルシェ/フェラーリ)、中村史郎氏(いすゞ/日産)、クリス・バングル氏(BMW)、原田則彦氏(ザガート)、俣野努氏(初代ユーノスロードスター)などそうそうたるメンバーを輩出している。
※カッコ内はデザインに関わった代表的な車種やメーカー

 アートセンターを卒業したあと、アサダ氏はホットウィールと同じマテル社が展開する『マッチボックス』を経て、2013年からホットウィールでミニカーデザインを手掛けることになる。

 2013年から彼が亡くなるまでの8年弱。アサダ氏が手掛けたホットウィールは、これから2022年に発売予定のミニカーを含め、実に150台を超える。

■熱狂的なアサダファンの思いとは

アサダ氏デザインのホンダ プレリュード。プレリュードは彼の父親の愛車だった
アサダ氏デザインのホンダ プレリュード。プレリュードは彼の父親の愛車だった

 ミニカー歴20年以上、日本有数のホットウィールコレクターでアサダ作品の大ファンである、『猫の恩返し』さんにアサダ作品の魅力を語っていただくとともに、6台のもっとも素晴らしいアサダ作品を選んでいただいた。

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 アサダさんが亡くなったと聞いたのは奇しくも、ホットウィールを買いに行っている時でした。もうショックで、買い物どころでは無くなってしまいました。

 アサダさんと言うと、ホンダを中心とした日本車のデザイナーとして有名ですが、実は日本では謎車や架空車などと呼ばれる、ホットウィール オリジナルデザインのミニカーでも数多くのヒット作をデザインされています。

 最近ではアヒルをモチーフにした『ダックン ロール』、そしてアメリカでは超人気ですでにプレミアム価格となっているデコトラをモチーフとした『ライジンエクスプレス』(日本では5月発売)がそれです。

 4年半の闘病の末に旅立ってしまいましたが、彼の最近の作品を見ると自分の寿命がわかってたんじゃないかと思われるところがあります

 『ポルシェ 944』の聴診器はまさに彼の主治医の愛車でした。『プレリュード』は何故、最終型なんだろう?と思ったら家族の思い出がたくさん詰まった彼の父親の愛車でした。そして『ライジンエクスプレス』。

 子どもの頃からデコトラが好きで、いつか「デコトラをミニカーにする」それが夢だったと、話されていたようです。

 本当に亡くなってしまったことが残念でなりません。もっと我々を楽しませて欲しかった。

 最後に、沢山の夢のあるミニカーを創造していただきありがとう。心よりご冥福をお祈りします。

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