クルマを後退させようと、シフトを「R(リバース)」にいれると、国産車のほとんどは「ピ―ッ、ピ―ッ」という音が鳴ります。また、トラックやバスなどは車外にも「ピ―ッ、ピ―ッ」という音や、「バックします」という音声が流れるものもあります。
ですが、輸入車の場合だと、リバース音が鳴らないクルマもあり、バスやトラックについても、最近は後退時に大きな音が鳴らないクルマがでてきました。なぜこのようなことになっているのでしょうか。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_metamorworks
写真:HONDA、Adobe Stock、写真AC
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義務付けされているものではない
そもそもリバース音は、シフトの操作ミスよる事故防止を目的として装備されたものです。
AT車(オートマチックトランスミッション車、以下AT車)の場合、ストレートパターンのギアシフターの場合が多く、「D」と「R」のポジションが近いため、Rに入っていることに気づかずにアクセルを踏み込んでしまう、という誤操作が懸念されました。この誤操作を防ぐため、80年代ごろから取り入れられはじめました。
輸入車でリバース音が鳴らないクルマがあるのは、海外ではMT車の比率が高かったから。しかし昨今は海外でもAT車の比率が上がってきているようで、輸入車でもリバース音が装備されているクルマも増えてきました。時期は定かではありませんが、メルセデス・ベンツやBMWなどは、この10年ほどでリバース音が装備されてきたようです。
しかしながら、マニュアルミッション車(以下MT車)は、今でも後退時にリバース音を鳴らさないのが一般的です。なぜならMT車の場合、リバースシフトの位置がシンプルかつ、クラッチ操作も行う必要があるため、シフトの操作ミスで事故になることは考えにくいからです。
リバース音は、実は事故防止のため自動車メーカー各社が自主的に取り入れたもの。法律や保安基準などで搭載を義務付けられているものではなく、リバース音が鳴らないからといって、車検が通らないということはありません。
コメント
コメントの使い方マンションなどで鳴らされると非常に迷惑です。
安全対策という言い訳で迷惑行為が許容されるわけではありません。