羨望のエース級グレード名たち【トヨタ、日産、ホンダ、マツダ編】

■ホンダ タイプR、RS、Si、SiR

1992年11月に登場したホンダNSXタイプR。以後、「タイプR」はホンダ内で揺るぎないブランドになってゆく
1992年11月に登場したホンダNSXタイプR。以後、「タイプR」はホンダ内で揺るぎないブランドになってゆく

ホンダのスポーツグレードの筆頭といえば「タイプR」だろう。1992年11月、初代NSXに設定されたのが元祖となる。クランクシャフトのバランス精度見直しといったエンジンチューンのほか、約120kgの軽量化、重心高の低下などが図られたトップグレードだった。その後、95年にはDC2型インテグラに設定、97年からはシビックに設定され、こちらは現在も販売中。

またホンダのスポーツグレードというと始祖といえるのが「RS」。それも初代シビックRS。投入された1974年当時、オイルショックや大気汚染などの問題でスポーツカーの風当たりが強かったため、スポーツモデルにも関わらず、RSは「ロードセーリング」の略とし、シビック初のスポーツモデルを世に送り出したのだ。「RS」は現在もフィットやヴェゼルなどに使われており、ホンダ実用スポーツモデルの象徴となっている。

ホンダの初代シビックRS。このRSはなんの略かでクルマ好きの間では話題になった
ホンダの初代シビックRS。このRSはなんの略かでクルマ好きの間では話題になった

こちらもメジャーなグレード名であるが、「Si」もホンダにとっては重要な意味を持つ。S800以来、14年振りの復活となる1.6LツインカムのZC型エンジンを搭載した3代目のワンダーシビックおよびバラードスポーツCR-Xの搭載グレードに与えられたものだからだ。

バラードCR-XのSi
バラードスポーツCR-XのSi

その後、4代目のグランドシビックでは、自然吸気エンジンとして驚異的なリッター100psを可能とした可変バルブタイミングリフト機構VTEC付きのツインカムエンジンを搭載。シビックでは「SiR」、インテグラでは「XSi」や「RSi」などの付加価値を示す名称となり、その性能の高さを世にアピールした。

そんなホンダの4輪から現在、超ド級の自然吸気エンジンは消滅。伝統の「Si」の名は封印されたようだ。

■トヨタ GTV、GT-APEX、GT-FOUR、GPターボ、ツアラーV

トヨタのトップグレードといえばやはり「GT-FOUR」
トヨタのトップグレードといえばやはり「GT-FOUR」

トヨタは「GT」を軸にしたスポーツグレード名が多い。

その中でもモータースポーツで活躍した歴代セリカには、そのキャラクターを強く主張するグレード名が多数存在した。

初代セリカに設定されたGTVは、高性能な2T-G型エンジン搭載車を軽量化し、強化サスを組みわせたスパルタンなグレード。その名は、「ハチロク」の愛称で親しまれる4代目カローラレビンとスプリンタートレノにも受け継がれ、こちらも競技ベースの色が濃いモデルであった(レビン/トレノに設定された豪華グレードが「GT-APEX」)。

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「GTV」も数多く使われたグレード名(写真はAE86のカローラレビン)

セリカといえば、フルタイム4WD+ターボという強力な武器を手にし、4代目から6代目まで設定された「GT-FOUR」もビックネームだ。

GT-FOURの名はのちにカルディナのトップグレードでも使われた。スポーツセダン顔負けの高性能ぶりだったレガシィツーリングワゴンのターボモデルに真っ向から勝負を挑んだもので、その知名度は低いが、トヨタが本気で本格スポーツワゴンを目指したものであった。

最終型のカルディナGT-FOUR
最終型のカルディナGT-FOUR

ユニークな名称では「GPターボ」というのもある。これは、カローラⅡ、ターセル、コルサの3ドアハッチバックの「リトラ」の最上級グレードに採用されたもので、なんと3ドアハッチなのに、リトラクタブルヘッドライトを備えたユニークなもの。中身は、スターレットターボなのだが、ヤンチャを感じさせるネーミングがよかった。

またマーク2/チェイサー/クレスタの代名詞となる「ツアラーV」も忘れがたい。

8代目マーク2のツアラーV
8代目マーク2のツアラーV。こういうクルマがバンバン売れたんだから、いい時代だった

1992年に登場した90系のスポーツグレードに冠された「ツアラー」シリーズは、自然吸気エンジンのツアラーS(後に、100系ではツアラーも登場)もあったが、ターボ搭載のツアラーVでは、5速MTが選べたこともポイントが高い。現在に及ぶまで高い人気を誇っている。

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