■バッテリートラブルを防ぎ、寿命を伸ばすには
クルマの利用状況や車種によっても変わってくるが、2、3ヵ月に1度バッテリーの補充電を、それも急速充電ではなく普通充電を行うようにすれば、バッテリーの寿命は確実に延びる。
最近のクルマはバッテリーを外すのも手順が定められているので、自宅で充電できる環境が整えられる人なら、クルマにバッテリーを載せたままで充電ができるタイプの充電器を使うようにすると、脱着や各種メモリの再設定をする必要がないから便利だ。
さらに前述のサルフェーションを解消してくれるバルス充電に対応した充電器を使うと、バッテリーの寿命を大きく伸ばすことも可能だ。
これはダメになったバッテリーを廃棄せず、パルス充電によって再生させて販売している業者がいるほどなのだから、その効果は確かなものだ(もちろんそれでも復活しないバッテリーもある)。
それでも補水不要、というか補水ができないタイプのバッテリーはバッテリー液が減ってくれば、寿命となってしまう。鉛酸バッテリーは過充電すると水素ガスをたくさん発生させてバッテリー液が減ってしまうので、過充電にも気を付けることだ。
最近はアイドリングストップのメリットばかりではなく、デメリットも表面化している。その一つが前述のバッテリーの短命化だが、信号が多い都市部など短い間隔でアイドリングストップが連続してしまうような状況では、アイドリングストップをスイッチ操作でキャンセルしてやるのも対策法だ。
しかしながら、いちいちエンジン始動時にキャンセルスイッチを操作するのは煩わしいという人も少なくない。
そんな人のために、後付けのアイドリングストップキャンセラーという商品も出回っている。これにはいろいろなタイプがあるので、自分のクルマに対応可能な商品の中から、信頼できる商品を選ぶことだ。
■結論/バッテリーの寿命を長持ちさせたいなら
ディーラーでの12ヵ月年点検や車検整備時にバッテリーのコンディションをチェックされ、そろそろ寿命が近付いていると言われたら、純正バッテリーの価格を教えてもらい、カー用品店などでの価格と比べてみることだ。価格差が大きければ、点検後にカー用品店でバッテリーだけ交換してもらえばいい。
そしてバッテリーを長持ちさせたいなら、最新のバッテリー充電器を使って補充電したり、アイドリングストップキャンセラーの装着を検討しよう。
もちろん寿命は伸ばせてもバッテリーは消耗品、寿命が来る前に新品に交換することが、出先での立ち往生や自宅での始動不能という状態を防ぐことになることを忘れないでほしい。
最後にバッテリーを長持ちさせたいなら以下のことを守ってほしい。
1/時々バッテリー液の状態をチェックする
口を酸っぱくするほど繰り返して説明しているが、時々バッテリー液の状態をチェックするようにしよう。1ヵ月に1回など期間を決めて定期的にチェックしたほうがいいだろう。
それさえも面倒くさいという人はディーラーやガソリンスタンドなどでバッテリーを真夏と真冬が来る前にチェックしてもらおう。
2/30分~1時間程度は運転する
ちょい乗りや短距離の通勤での利用が多いという方は、週1回あるいは2週に1回の機会に、最低でも30分以上の走行をしたほうがいい。信号での一時停止がない、高速道路を使ったロングドライブなどならさらにいいだろう。
3/エンジン始動時、停止時にエアコンの使い方をひと工夫
エアコンの使い方をひと工夫すること。エンジン始動時にエアコンを消しておくこと、そして目的地に到着する少し前にエアコン切っておくことだ。
バッテリーは始動時(クランキング中)にたくさん電力を消費するが、エアコンをつけているだけで負担増になるため、純粋にエンジン始動だけに電気を使わせる。
また目的地に到着する少し前にエアコンをオフにするのは、バッテリー充電量を増やすことにつながる。オルタネータで作られた電気の多くをバッテリー充電に回すことで、フル充電状態でエンジン停止することができるからだ。
4/電装品が多いならバッテリー容量も大きくする
エアコンやライト類のほかに、大出力のカーオーディオ、ナビ、ドライブレコーダーなどを搭載し、しかもかなり使う人、スマホの充電を頻繁にする人は容量の大きいバッテリーに載せ換えるのも、バッテリーを長持ちさせるコツだ。
5/バッテリー上がりを起こさない
バッテリー上がりを起こしてバッテリーの電力が失われてしまうと、回復させるためにバッテリーに大きな負荷がかかり、結果的にバッテリーの寿命が短くなる。ヘッドランプの消し忘れやルームランプの点けっぱなしに注意。
ちなみに、バッテリーを十分に充電するために必要なエンジンの回転数は、2000~3000rpmだが、アイドリング時のエンジン回転数は1000rpm以下。
だから、エンジンがかかっていても、クルマを停めてアイドリング状態でいるときにはほとんど充電がされないというのを頭に入れておきたい。
軽く考えがちなバッテリートラブルだが、JAFの出動回数がダントツの年間1位、これから迎える6~8月も堂々の1位と、甘く見る人が多いので、夏を迎える前にぜひ愛車のバッテリーをチェックしてほしい。
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