■ヘッドライトを守る「ハードコート」
いかにヘッドライトカバー用の材料として美点だらけのPCであっても、黄ばみ(黄変)や曇り(白化あるいは白濁)の原因は、紫外線によってPCなどの樹脂素材が変色するということだ。一方、輸入車ではクラッキングと呼ばれる蜘蛛の巣状の細かいヒビ割れが生じることが見られる。
このヘッドライトカバー独特の弱点を補うために表面などを保護するために、樹脂製カバーに製造時に塗布されるのが、ハードコートと呼ばれる素材だ、劣化防止のための保護材としての熱硬化性の耐候塗料(劣化防止材)を吹き付けることで、変色を抑える効果を与えて、ヘッドライトカバーの透過性と耐候性を維持している。
ちなみに、ヘッドライトカバーのコーティング剤には、ガラス系とシリコン系やフッ素系の非ガラス系がある。現在の主流はガラス系のコーティング剤で、非ガラス系コーティング剤に比べて持続性が高いといわれている。なお、塗布時に形成されるハードコートの層は5~10μm(マイクロメートル:1000分の1mm)とされている。
当然ながら、材質や加工方法は年々進化しており、寿命などを含めた耐久性が向上している。確かに1990年代以降の車種では頻繁にヘッドライトカバーが変色しているのを見つけにくいことも実感でき、日本車の場合、通常3~5年はクリアな状態を保つことができるとされている。
■DIYか、プロに頼むか?
それではヘッドライトカバーが劣化してしまい、見栄えが落ちるのはもちろんのこと、ヘッドライトが暗く感じられるようになった場合にはどうしたらよいか。
後で紹介するような修理用のアフターマケット品を利用してDIYするか、メインテナンス業者に依頼して、黄ばみや曇りを取り除くことになる。
とはいえ、前者のように自分でメインテナンスとなると、その道のプロが存在するほどだから、素人には手強い面があるのは想像がつく。中身は表面の研磨とコーティングが中心となり、正確な手順と根気が必要になるわけだ。
言うまでもなく、ボディコーティングと同様に表面の汚れをしっかりと取り除くことを基本として、表面の研磨も確実に実施したうえで、コーティング剤を塗りつけなければならない。
簡単に段取りを辿ると、作業としてまずは汚れを取り除いたうえで、ヘッドライトカバー周りをマスキングしたうえで、番号の低い(研磨面が粗いほうから600→1000→2000→5000番など)耐水ペーパーを遣って水をかけつつ表面を徐々に研磨していき、黄ばんだ水が白くなったら数字を上げ、黄ばみや白濁した部分を削り取る。仕上げとしてコーティング剤を塗布する。
…といってしまえば簡単に思えても、キレイに仕上げるには、慎重に作業を進めなければならない。ただし、コーティング剤を塗布したとしても、半年から1年立てば黄ばみが出てくることはある程度覚悟しておく必要がある。
まさに「言うは易く行うは難し」というところで、素人がこなすには多少の苦労が必要だ。ただし、ネットなどでも紹介されているとおり、自分で上手く仕上げられれば、満足感はひとしおであることは間違いなく、チャレンジし甲斐はありそうだ。
■主なヘッドライトクリーナー製品
最後にどんなヘッドライトクリーナー、コーティング剤が売られているのか、調べてみた。価格はオープン価格、実勢価格は本サイト調べ。工賃含まず。
■シェアラスターゼロリバイブ Surluster S-104
シュアラスター株式会社
ボディコート用ゼロシリーズのヘッドライトクリーナー製品「ゼロリバイブ」。“UVカットトリプルコーティング”とされる技術により、紫外線の反射と生じる熱の放出、紫外線の吸収により、ヘッドライトカバー内部の劣化を防止する。
●ヘッドライトクリーナー(70mL)×1、マイクロファイバークロス×1
価格:約900円~
■3M TM ヘッドライト用クリアコーティング剤 39173
スリーエム株式会社
3M製ハンディタイプのヘッドライトコーティングキット。3M独自の「トタイザクト」研磨材を使用。クリアコーティング剤は2コート施工が可能。より処理用品を充実させた「ヘッドライトレストレーションキット」も販売されている。
●ヘッドライト用クリアコーティング剤×2、フィニッシングディスク(3000番)×1
価格:1980円~
■ワコーズ HC-K ハードコート復元キット V340
株式会社和光ケミカル
粉砕型コンパウンドと特殊界面活性剤の効果によって黄ばみを取り除く「ヘッドライト用ベース処理剤」と、常温で硬化するケイ素系化合物によってガラス状の硬質皮膜を形成する「ヘッドライト用コート剤」のキット。1セット:12個入り。
●ベース、処理剤(50g)×1、コート剤(15mL)×1、研磨専用パッド×2、塗布用専用スポンジ×1、施工手順書×1 価格:約6000円~(工賃含まず)
■ホルツ R-FINEクリアショック MH682
武蔵ホルツ株式会社
プロユースを含む修理用品として知られるホルツの一般向けヘッドライトクリーナー製品が「R-FINE」シリーズの「クリアショック」。
「ヘッドライト復活&コート」として、研磨用「サンドブロック」で効率よく下地処理を実施。高濃度可撓性レジンコート剤で滑らかな仕上りを実現する。
●コート剤(1mL)×1、コーティングスポンジ×2、サンドブロック×1
価格:約800円~
コメント
コメントの使い方市販のヘッドライトコーティング剤はいろいろ使ったけど、所詮一時の気休めに過ぎないよ❗️そんな気休めコーティングはやめてウレタンクリアー塗装したら2年経ってもピカピカな状態をキープしてる✨ウレタンクリアーってボディーのトップコートと同じだから市販の似非コーティング剤とは根本的に強度が違うんだよね❗️一度ウレタンクリアー塗装やったら似非コーティング剤なんかバカバカしくて使えなくなるよ❗️
ライトに限って言えば確かにクリアが弱い、自分でウレタンクリアを塗装したほうが長持ちする。家のクルマのライトは小糸製だが。
なんせトヨタ車はすぐ黄ばむ。
ガラスのヘッドライトでも黄ばむからな、トヨタ車は。
ボディのクリア塗装も弱いし。
さすが低品質トヨタ。