■いくつもある補完車種
トヨタではかつて4チャンネル(トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店)それぞれの専売車種を生産終了する際には、そのままラインナップが減るのではなく、新たな補完車種が用意された。
全店併売化を待たずして、売れ筋は全店併売化前からアクアのような全店併売車であったので、補完車種の設定は最近になると頻繁に行われなくなったが、あえて補完車種があったらと考えてみたい。
いまトヨタは国内でのSUVラインナップの緻密化を進めている。クロカン色の強いランドクルーザーシリーズを除いても、ライズ、ヤリスクロス、C-HR、RAV4、ハリアーがすでにラインナップされており、“ヤリスクロス以上RAV4以下のサイズ”とされる、カローラクロスもラインナップの予定とされている。
これだけでもだいぶラインナップは緻密なのだが、これらのなかでまだ足りないのが、マツダCX-8のような3列シートを採用するSUVである。
そう考えると北米メインで、そのほか中国の現地合弁会社となる広州豊田で生産され中国市場でも販売されている、3列シートを用意するハイランダーの国内投入があれば、トヨタの国内市場におけるSUVラインナップはより強固なものとなるだろう。
それか、アルファードとは対極をなす、実用性を重視したフルサイズミニバンとして、北米メインであり、間もなく中国市場でも現地生産され販売予定となっている“シエナ”の国内ラインナップもあるかもしれない。
シエナは先代モデルとはなるものの、日本に個人輸入され専門業者で販売されており、都市部では意外なほど見かけるので、いまのヴェルファイアぐらいの販売ボリュームならいけてしまうかもしれない。
エスティマが販売終了となって久しいが、エスティマは“アンチ アルファード&ヴェルファイア”といった層の、受け皿的役割を担っていたので、このエスティマの役割をシエナにお願いしようというわけである。
ちなみにシエナは、ロシアあたりでは、アメリカから中古車として輸出されたものだろうが、モスクワあたりでも結構な頻度で見かけるほど中古車人気も高い。
単にヴェルファイアがなくなるというよりは、あくまで筆者の“妄想”に近い予想ではあるが、ハイランダーやシエナが国内導入されたほうが、より国内新車販売市場の活性化が期待できると考えるのだ。
ただ、それより先に“トヨタ一強”状態をさらに強固なものにしてしまうことになるだろう。
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