■値上がり必至の国産車その1:ホンダS660
中古車となって価格が高騰する車種には一定の法則がある。まずは生産台数が少ないことだ。特にスバルのSモデルのような限定生産のスペシャルモデルは値上がりする可能性が高い。今後2度と同じようなコンセプトのクルマが出ないこと。そして高性能なパワートレインを搭載したスポーツモデルということだ。これを踏まえて3台を選でみた。
まず、ピックアップしたのはホンダS660だ。ホンダは2021年4月23日に行われた社長就任会見で「2040年にグローバルでEV、FCVの販売割合で100%を目指す」発表している。
すなわち、あと10年でホンダのエンジン車は完全に無くなるということだ。
そして、軽オープンカーのS660は2022年3月で生産終了するとアナウンスされている。
もうS660のような軽ミッドシップオープンカーというクルマは登場する可能性はほぼゼロだろう。それが、ファイナルモデルである「モデューロX バージョンZ」の即完売に繋がり、すでに受注終了となってしまったことに表れているのだ。
S660の中古車は生産終了を発表した2021年3月時点では、約620台流通していてい、平均価格は約180万円だった。しかし現在、流通台数は約117台で、平均価格は約257.5万円とわずか3カ月で77万5000円も値上がりしているのだ。
S660の中古車価格帯は約135万〜約560万円と限定車のMUGEN RAやモデューロXは400万円以上という高価格で流通している。
今後1年は新車のデリバリーが続くものの、新車のデリバリーが終了すると、S660の中古車相場はここからさらに高騰するはずだ。
中でもファイナルモデルのモデューロX バージョンZは500万円以上のプライスが付く可能性は相当高い。特にMT車の値上がりは驚異的なことになるかもしれない。
■値上がり必至の国産車その2:ホンダ現行NSX
続いてもホンダ車から現行NSXをピックアップした。
すでに初代NSXの中古車相場は高騰しているが、ホンダのエンジン全廃宣言を受けてハイブリッドスポーツカーのNSXの中古車相場も高騰する可能性は高い。その理由として挙げられるのは、元々新車価格が高いため、生産台数が極端に少ないこと。
現状、現行型NSXの中古車は人気が高いとは言えないが、これが需要と供給のバランスが崩れたときに一気に相場が高騰する要素となってしまうのだ。
現在、現行型NSXの中古車の流通台数は約12台と非常に少ない。平均価格は約2192万円で、価格帯は2000万〜2499万円とレアさも手伝ってそれほど値落ちも進んでいない。
値落ちする要素が今後も少ない一方で、ホンダのエンジン車全廃ということにより値上がりする要因は十分あるのだ。
現在のところ、NSXがいつまで販売されるかわからないが、ファイナルバージョンが発売されれば人気が集中し、価格が高騰するのは容易に予想が付く。
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