ルーミー 最強のナンバー2へ!! ライバル車ソリオと比較し快進撃の理由を探る

■トヨタブランドでMPVが出るというインパクト

トヨタブランドでルーミーのようなMPVが登場したインパクトは大きい
トヨタブランドでルーミーのようなMPVが登場したインパクトは大きい

 いわゆる“リッターカー”とも呼ばれる、軽自動車に近いサイズのコンパクトセグメント(登録車)では、いまもトヨタ ヤリスや同パッソ、日産ノート、ホンダ フィット、マツダ2、スズキ スイフトなど、ラインナップではハッチバック車がメイン。

 そのなかで、トヨタブランドでルーミーのようなMPVが登場したインパクトは大きい。

 N-BOX、スペーシア、タント、ルークスと言った、ハイト系軽自動車では、“子どもが車内で立ったまま着替えができる室内高の確保”というのは、“マスト”とのこと。ルーミーとソリオも、室内で子どもが立てるような室内高が確保されている。

 さらに、自転車の積載性能というものも重視される。

 スズキ系ディーラーでは、「ルーミーは、サイズにもよりますが、後席を倒せば自転車2台を無理せず積載することが可能です。新型ソリオではその点もクリアするために、あえて前後席、つまり居住空間の長さを詰め、その分を積載スペースの寸法アップに使っています」と説明を受けた。

 そして、この2台は登録車なので、軽自動車の乗車定員が4名なのに対し、5名となるのである。ルーミーもスイフトもカタログ上では、子ども2名に大人2名が登場しているが、乗車定員が5名になるのも魅力のひとつである。

 ルーミーは確かにスイフトから見れば、“二番煎じ”と言ってしまうこともできるが、トヨタでは、いままでルーミーのような“軽自動車っぽい多目的車”がなかったところで、トヨタユーザー内でブレイクしたのもヒットした要因のひとつといえるだろう。

 また、N-BOXやタント、スペーシアなどに興味があっても、なかなか軽自動車の購入に踏み切れないひとは、トヨタ車以外のユーザーにも意外に多い。

 あるトヨタ系ディーラーのセールスマンは、「なかなか商談が進まないお客様に、『このようなクルマもありますよ』とルーミーをお勧めすると、あっさりと契約までいくことも多いです」と語ってくれた。

 ルーミーはすで子育てを終えたミニバンユーザーが乗り換えるといったケースも多い。長いことミニバンに乗り慣れていると、一般的なコンパクトハッチバックにダウンサイズするよりは、馴染みやすいというところも大きいようだ。

■ルーミー&ソリオ人気には市場の縮小が関係!?

2020年にモデルチェンジした新型ソリオ。ソリオの二番煎じであるルーミーをさらに研究して開発されたともいわれている
2020年にモデルチェンジした新型ソリオ。ソリオの二番煎じであるルーミーをさらに研究して開発されたともいわれている

 新型ソリオは、ルーミーを丹念に研究して開発されたようで、専門家のなかにはルーミーより高く評価(設計年次がルーミーのほうが古いので仕方ない面もあるが)する声がある。

 ただ、スズキ系ディーラーでは、「ルーミーはオプションが多いですが、ソリオは標準装備も多く、しかも装備を奢っています」と説明しつつも、「販売力も含め売り方ではトヨタさんにはかなわないです」との声も聞いている。

 ルーミーもソリオも、軽自動車のラインナップが豊富なダイハツとスズキのプロダクト。軽自動車とのプラットフォーム共用などを進めたからこそ、コスト問題をクリアして国内専売モデルとしてのラインナップを可能としている。

 これは、現状では日産やホンダ、マツダなどでは残念ながら、トヨタのようにOEMにでもしなければ、なかなか実現不可能なプロダクト(三菱へはソリオをデリカD:2として供給)といっていいだろう。

 日本車が元気いっぱいで、新車販売市場も右肩あがりだった80年代ならば、「ソリオ、ルーミーに続け」と、トヨタ(ダイハツ)、スズキ以外のメーカーも独自の“ルーミー的モデル”を投入していただろう。

 しかし、国内新車販売市場は80年代最盛期の半分ほどに縮小し、そんな日本市場に日本人向けに特化した国内専売車を開発し、投入することは採算を考えるとかなり厳しい。ルーミーの爆発的人気と、ソリオの安定した人気は、ある意味国内新車市場の縮小がなければ実現できなかったともいえるのだ。

【画像ギャラリー】販売台数ランキング2位の常連!! コンパクトで多目的に使えるトヨタ ルーミー

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