タコメーターがない電動車でも「性能を示すメーター」は生き残る
実際の使い勝手を考えれば、ハイブリッドの制御状態がわかれば良い。パワーメーターの指針や光の帯が右側へあまり振られず、一定に保てるようにアクセルを操作すれば、経済的な運転ができる。
タコメーターのように、表示の具体的な基準が分からないと信頼性では疑問が残るが、実用的には問題ない。正確な燃料消費量を知りたければ、燃費計も装着されているので、パワーメーターの表示にこだわる必要もない。
またレクサス車などは、ハイブリッドでもエンジン回転数を示すタコメーターを表示できる。高速道路を走行中にアクセルペダルを戻すと、エンジンが停止してモーターによる回生が開始され、タコメーターの針はストンと落ちて「0」を示す。
昭和世代のドライバーは、この瞬間に肝を冷やす。従来のクルマでエンジンが停止すると、パワーステアリングは作動せず、ブレーキブースター(倍力装置)の負圧を使い切れば制動性能も低下するからだ。
慣れるまでは嫌な感じだったが、エンジンの停止と作動がわかることは、モーター駆動を併用しない従来のクルマとは違う楽しさではあるだろう。タコメーターが「0」の状態で走る時は、燃料を消費していないからトクした気分にもなる。
この効用を考えると、電動化が進む今後も、タコメーターに代わるパワーメーターは存続するだろう。ハイブリッドシステムや電動機能の負荷、回生による充電の状態がわかると、経済的な運転に役立って走りの楽しさにも繋がるからだ。
最近は運転支援機能も普及して、先行車との車間距離を保ちながら追従走行できる。運転支援機能の作動中と、自分でペダル操作をする時では、パワーメーターの動きがどのように変わるのか。燃費計と併用して、運転支援機能を相手に経済運転を競う楽しさも味わえる。
電動化の時代には、新しいクルマの楽しみ方が生まれるわけだが、純粋にエンジンのみを搭載したクルマで、タコメーターを見ながら操るのも楽しい。
「5500回転を超えた領域の吹き上がりはタマランなぁ!」、といった運転をいつまで味わえるのか。昭和世代のドライバーとしては、高回転域まで回せる自然吸気エンジンの6速MT車が、妙に愛らしく思えてきた。
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