■グレード構成も複雑怪奇なほどきめ細やか
●10人乗り乗用ワゴン(3ナンバー登録)
・DX(Cボディ、パワートレーンは【6】と【7】)=レンタカーに使われることもよくあるベーシックグレード
・GL(Cボディ、パワートレーンは【6】と【7】)=一般ユース向けの上級グレード
・グランドキャビン(Dボディ、パワートレーンは【6】と【7】)=主にロケバスやレンタカーに使われることが多く、10人+人数分の荷物を運べるというハイエースのボスキャラとなる1台。
●14人乗りコミューター(2ナンバー登録)
・DX(Dボディ、パワートレーンは【1】、【6】、【7】)ベーシックグレード
・GL(Dボディ、パワートレーンは【1】、【6】、【7】)上級グレード
●1ナンバー登録の商用バン
・スーパーGL(Cボディ、パワートレーンは【1】、【6】、【7】)=左右スライドドアとなる5ドアで、乗車定員は5人。充実した装備や商用バンながら立派な2列目シートを持つこともあり、一般ユースに使うユーザーも多い
・DX(Dボディ、パワートレーンは【1】、【2】、【6】、【7】)=左側だけスライドドアが付く4ドア
・DX GLパッケージ(Dボディでパワートレーン、スライドドアはDXと同様)=DXに前後カラードバンパー、メッキグリル、電動格納リモコンドアミラー、プライバシーガラス、ハイグレードホイールキャップなどが加わり、差額は【1】のパワートレーンで10万5000円。
●4ナンバー登録の商用バン
・スーパーGL(Aボディ、パワートレーンは【1】、【2】、【6】)=左右スライドドアとなる5ドアで、乗車定員は5人。1ナンバー登録のスーパーGL同様、ハイエースユーザーの中には憧れの存在としている人も多い。
・DX&DX GLパッケージ(標準的なものとしてはAボディ5ドアの乗車定員6人、パワートレーンは【1】、【2】、【3】、【5】)
さらにオプションやボディカラーもあるので、ハイエースを買う際には希望のものをちゃんとオーダーしたか、オーダーしたものがちゃんと来るのかが心配になるくらいのワイドバリエーションが設定されているということである。
■意外な傾向も判明!? ハイエースの販売比率は?
ようやく本題となるハイエースの販売比率を見ていくと
【10人乗りワゴン/2021年1-5月販売台数:3900台】
DX/20%、GL/65%、グランドキャビン/15%
●エンジン:2.7Lガソリンのみ
●駆動方式:FR/57%、4WD/43%
GLの販売比率を見ると、「アルファードなどでもキャビンやラゲッジスペースの広さが足りない」などの理由でハイエースワゴンを選ぶ一般ユーザーも一定数いると思われることがわかる。
【14人乗りコミューター(2021年1-5月販売台数:930台)
DX/28%、GL/72%
●エンジン:2.8Lディーゼルターボ/63%、2.7Lガソリン/37%
●駆動方式:FR/72%、4WD/28%
【商用バン/2021年1-5月販売台数:3万6700台】
DX/51%、DX GLパッケージ/16%、スーパーGL/33%
●エンジン:2.8Lディーゼルターボ/67%、2Lガソリン/28%、2.7Lガソリン/5%
●駆動方式:FR/66%、4WD/34%
DX GLパッケージの販売比率が意外に低いようにも感じるが、これはプライバシーガラスなど、必要なものを個別のオプションで選んでいるユーザーが多いということなのだろう。また、ディーゼルが3分の2を占めるのは走行距離の多さなど、やはりハイエースバンとディーゼルは費用対効果も含め相性がいいということだろう。
ちなみにちょっと気になる2LガソリンのFR+5速MTの比率は、非公式な情報ながら1%以下と聞いたことがある。
ハイエースの4WD比率はどの車型でも意外に高く、ハイエースの全日本ラリー参戦車を製作するなど現行ハイエースに精通するサンコーワークスの喜多見孝弘さんが「ウチのハイエースのお客さんは4WDが多いんですよ」と言っていたことも、なんとなく理解できる。
なおハイエースバンの登録ナンバー比率は8ナンバー登録が8.1%含まれているため、正確なものではないが、4ナンバー(Aボディ)/82.9%、1ナンバー(Bボディ、Cボディ、Dボディ)/8.5%と、やはり街で見るハイエースの割合同様、特にDボディはマニアックな存在と思われる。
また、ハイエースに乗る際の注意としては、1ナンバー、2ナンバー、3ナンバー、4ナンバーがあるので、高速料金は3ナンバーと4ナンバーは普通、1ナンバー&2ナンバーが中型となる。つまりDボディだと同じボディなのに、3ナンバーと1ナンバー、2ナンバーでそれぞれ料金が異なることになる。
Dボディといえば、1ナンバーと3ナンバーのは普通免許で運転できるが、2ナンバーのコミューターは14人乗りなので中型免許が必要だ。そのためハイエースの14人乗りコミューターは「同じDボディのハイエースバンに乗っているから慣れている」などと、ウッカリ運転してしまうと無免許になるので注意が必要だ。
* * *
個人的にハイエースの原稿はマニアックなところがあることもあり、書いていて楽しい。
この点はビジネスユース、キャンパーやバイクなどのトランスポーターといったレジャーユース、なかにはドリフトやラリー競技まで、カスタマイズの幅がとてつもなく広い点にも通じるところがあり、ハイエースライフを楽しんでいるユーザーも多いに違いない。
それだけに200系現行型ハイエースは登場からすでに17年が経ち、いろいろな噂もあるが、ここまで来たら初代センチュリーを超える一世代で30年を目指して、ユーザーのためにも頑張ってほしい!
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