トヨタ+GM+VWより高いってマジかよ!! テスラ時価総額72兆円の意味


■株価が安いと企業が没落してしまう理由

「テスラスーパーチャージャー」と名付けられたテスラ専用の高速充電施設。充電速度は国際規格である「CHA de MO(チャデモ)」の2倍以上とされる

 EU(欧州連合)は今年(2021年)4月、ゼロ排出車以外の自動車を「サステナブル投資」の対象から除外する決断を行った。これまでプラグインハイブリッド車(PHEV)はサステナブルな投資対象と認識されていたが、今回の決断でとうとうPHEVまで除外されてしまった。ガソリン車やHVはもちろん、PHEVすら対象外となったことで、現実的にはピュアEVしか存続できなくなる可能性が高まっている。

 もしこの方向性で市場が動いた場合、HVを重視したメーカーの株価は相対的に大きく下落する可能性が高い(逆にEV化がうまくいかなければ、HVを重視したメーカーの株価は高騰する)。

 株価が高いことの最大のメリットは、圧倒的に有利な条件で資金調達できることである。逆に言うと、株価が安い企業は、資金調達に法外なコストを支払う必要が出てくるため、経営は苦しくなる。

ホンダの代表取締役社長に就任した三部敏宏氏。2021年4月23日の就任会見にて、2040年までにEV/FCVの販売比率をグローバルで100%にすると表明した

 グローバルな資本市場というのは冷酷で非情な世界であり、日本人的な「甘え」は一切許されない。株価が安い企業(つまり脆弱な企業)にはハイエナが群がり、トコトンまで食い尽くされる。こうした仕打ちに対して「フェアではない」ど叫んだところで誰も助けてはくれない。

 極論すると「勝ち」「負け」以外の結果は存在しないので、中途半端なスタンスを取ることは資本市場では御法度である(ホンダがあえてエンジン決別宣言を行った理由もここにある)。日本企業は時代の変化に際して、どの方向に行ってもいいよう、戦略を曖昧にするケースが多いが、こうした曖昧な経営方針は市場から嫌われ、株価の相対的な下落という形で必ず会社の経営に跳ね返ってくる。  

 もし、日本メーカーの中でEVシフトについて懐疑的に考えているところがあるのなら、堂々とその方針を表明し、思い切ってHVに投資を集中する戦略を打ち出した方がよい。すべてのシナリオに対応すると言えば聞こえは良いが、このやり方は、市場がピュアEVに傾いても、ハイブリッドに傾いても大きな利益は得られないことを意味しており、市場からの評価は低くなってしまう。

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