日産キックスが発売開始となったのは2020年6月末のこと。早くも1年が経った。SUV初のe-POWER、そして、日産の登録車としては、久しぶりの新型車とあって、キックスの注目度は高かった。
このキックス登場後、2020年8月にはトヨタから新型車ヤリスクロスが登場し、2021年4月にはホンダのヴェゼルが新型となるなど、コンパクトSUVカテゴリはさらに激戦区となっている。
激戦区であるだけに、ライバルの活躍が目立ってしまっているが、はたしてキックスは、モデルとして成功したのだろうか。登場から1年が経過したこの機会に、振り返ってみようと思う。
文:吉川賢一
写真:NISSAN、INFINITI、ベストカーWEB編集部
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キックスの出発はひとまず「好調」だった
「成功したか否か」を計るひとつの指標として、「日産の目標の販売台数に対してどうだったか」ということがあるが、日産はキックスの目標販売台数を公表していないため、日産がキックスの売れ行きについてどう考えているのか(成功したと考えているのか否か)を計るのはなかなか難しい。
そこで、この一年間の登録台数の推移を、1.ライバルとの比較、2.他の日産車との比較、という2つの視点で見ることで、キックスの成否を考察してみようと思う。
まずは、ライバル車との新車登録台数比較だ。キックスの発売開始日は2020年6月末日だが、初月から1,836台もの登録があったのは、日産社内や日産ディーラーなどへの販売促進のための配車が中心であったと考えられる。
その後、1ヶ月間の空白を置いて、スロースタートではあったが、8月には1178台、9月には3943台と、徐々に台数を伸ばし、12月まで月間4000台前後の登録台数となっている。
その後は、年度末商戦もあり、2月は5069台、3月も4801台と、登録台数を増やしている。4月は前月の反動もあり(例年4月は新車が売れない月)台数が落ち込んでいるが、それはライバル車も同じだ(ヴェゼルはちょうど新型が登場したため増えた)。
コロナ禍による半導体供給不足での生産調整のリスクは残っているが、ここからまたボーナス商戦の7月に突入するため、登録台数は増えてゆくと考えられる。
2カ月遅れで登場した強敵「ヤリスクロス」がいたにもかかわらず、また、廉価なガソリンモデルを用意しなかったにもかかわらず、それなりの販売結果となっていることを考えると、「キックスの出発はひとまず好調だった」と考えられる。
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