大ヒット中のハリアー買うならハイブリッド? それともガソリン?

■価格差48万5000円 どれくらい走ればモトがとれる?

パワートレインは2Lガソリン(左)2.5Lハイブリッド(右)の2種類。駆動方式はそれぞれFFと4WDを選択可能
パワートレインは2Lガソリン(左)2.5Lハイブリッド(右)の2種類。駆動方式はそれぞれFFと4WDを選択可能
ハイブリッドZ(2WD)のWLTCモード燃費は22.3km/Lを達成。動力性能と環境性能の両立を実現した
ハイブリッドZ(2WD)のWLTCモード燃費は22.3km/Lを達成。動力性能と環境性能の両立を実現した

 そこでハリアーのハイブリッドを購入した場合、48万5000円の実質価格差をどの程度の距離を走れば取り戻せるのか計算してみたい。

 ハリアー2WDのWLTCモード燃費は、2LのガソリンNAエンジンが15.4km/L、2.5Lのハイブリッドは22.3km/Lだ。

 実用燃費をWLTCモード燃費、レギュラーガソリン価格を1L当たり145円で計算すると(直近では150円/Lを超えるが平均すれば145円前後)、ガソリンNAエンジンの燃料代は1km走行当たり9.4円だ。ハイブリッドは6.5円になる。つまりハイブリッドは、ガソリンNAエンジンに比べて1km走行当たり2.9円を節約できる。

 実質価格差は前述の48万5000円だから、この金額を燃料代の節約で取り戻すには、16万kmの走行を要する。

 ハリアーではガソリンNAエンジンとハイブリッドの価格差が大きく、なおかつハイブリッドのWLTCモード数値はガソリンNAエンジンの1.4倍に留まるため、実質価格差を燃料代の節約によって取り戻せる距離が長くなった。1年間に1万5000kmを走っても10年少々を要する。

 この事情もあり、ハリアーではハイブリッドよりもガソリンNAエンジンのほうが多く売られている。現在の販売比率は、NAエンジンが65%、ハイブリッドは35%だ。

■購入3年以内に売却すればハイブリッドが有利に

ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャイン、シルバー系のスティールブロンドメタリック、ブラックの3色に人気が集中している
ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャイン、シルバー系のスティールブロンドメタリック、ブラックの3色に人気が集中している

 ハリアーの損得勘定では、ガソリンNAエンジンが有利だが、購入してから短期間で売却する場合はハイブリッドの不利が抑えられる。

 この背景には、ハリアーが中古車市場で高い人気を得ていることが挙げられる。ガソリンNAエンジン、ハイブリッドともに、残価設定ローンを組むと、3年後の残価率(新車価格に占める残価の割合)は59%に達する。一般的な残価率は43~48%だから、59%は相当な好条件で、アルファードS・Cパッケージの55%を上まわる。

 仮に3年後に新車価格の59%で売却できれば、ハリアー2WD・Gは201万円に達する。3年間の価値の低下は140万円だ。2WDハイブリッドGは236万円で売却され、3年間に下がった価値は164万円になる。

 3年後に売却するなら、ガソリンNAエンジンとハイブリッドの差額は24万円に収まり、しかもハイブリッドは前述の通り税額も10万5000円安い。差額は13万5000円まで縮まる。

 さらに燃料代も1km走行当たり2.9円、3年間/3万kmの走行であれば8万7000円節約できるから、3年間に4万8000円(1年間に1万6000円)を多く払えばハイブリッドを使用できる。

 1年間の走行距離が1万5000kmなら、3年間に4万5000kmを走るため、13万5000円の差額がほぼ解消される。

 クルマの売買には、必ずメーカーや販売店の利益が上乗せされるから、基本的には故障が増え始めるまで10年以上にわたって乗るのが得策だ。

 このような使い方をすると、ハイブリッドでも売却時の金額は下がり、ガソリンエンジン車と大差はなくなる。従って前述の16万kmで差額を取り戻せる計算が成り立つ。

 しかし短期間で売却する場合は、特にハイブリッドは高値で売られるため、3年程度の使用であれば負担を小さく抑えられる。

 ハリアーで3年間の残価設定ローンを均等払いで組んだ場合、月々の返済額は、ガソリンNAエンジンの2WD・Gは5万1100円、2WDハイブリッドGは6万円だ。月々8900円の差額でハイブリッドを使えて、購入時の税額も10万5000円安い。

ハリアーのグレードと価格
ハリアーのグレードと価格

次ページは : ■結論:長く乗るならNAエンジン、それ以外ならハイブリッド!

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