ワゴンR、フィットら偉大な小型車たち! これぞ日本の超得意分野!! 

ワゴンR、フィットら偉大な小型車たち! これぞ日本の超得意分野!! 

車は年々大きくなり、日本車が海外に軸足を置いたと言われて久しい。一方、日本における輸入乗用車の2017年度販売台数は、2007年度比34.2%増の30万台超と、輸入車の存在感は年々高まっている。

だからこそ考えたいのは日本車“らしさ”だ。日本の交通環境に合った小さな車こそ、世界には真似できない日本独自の車なのではないだろうか。日本の自動車史に名を刻む5台の国産スモールカーは、優れた知恵と技術を、小さなボディのなかに詰めこんでいる!

文:片岡英明
写真:編集部、DAIHATSU、SUZUKI、HONDA


軽に革命起こした「初代ワゴンR」

初代ワゴンR(1993-1998年)/全長×全幅×全高:3295×1395×1680mm
初代ワゴンR(1993-1998年)/全長×全幅×全高:3295×1395×1680mm

1990年春、軽自動車は安全性と快適性を向上させるために規格改正を行った。排気量の上限を550ccから660ccに引き上げ、全長も100mm延ばして3300mmとしている。

2000mmの全高は変わっていないが、当時は背を低くしたほうがスポーティと見られていたから背を高くする車はなかった。

このタブーに挑み、1993年9月に登場したのがスズキのワゴンRだ。限られたサイズのなかで最大級の居住スペースを実現するため、ボンネットを短くし、台形フォルムのトールデザインを採用している。

高さを生かした巧みなパッケージングで1300mmを超える室内高を手に入れた。ヒップポイントを高くしても頭上の空間は余裕があり、見下ろし感覚だから小柄な人でも運転しやすいし、乗り降りも楽だ。

後席もきちんとした姿勢で座るからリッターカーより広いし、ラゲッジルームも驚くほど広い。

プラットフォームやパワーユニットは、セルボモードとアルトのものを使った。ドアは変則的な4ドアである。後席用のドアが運転席側にないのは、車道側に子どもが飛び出さないように、と考えたからだ。

1996年夏に5ドアモデルを追加したが、狙いはわかりやすかった。優れたパッケージのワゴンRは、誕生から3年で累計生産50万台の偉業を達成している。

リッターカーの先駆け「シャレード」

2代目シャレード/全長×全幅×全高:3550×1550×1400mm(3ドア TD)
2代目シャレード(1983-1987年)/全長×全幅×全高:3550×1550×1400mm(3ドア TD)

リッター2ボックスの先駆車が、1977年に登場したダイハツのシャレードだ。「5平米カー」のキャッチフレーズで登場し、ヒット作に。2代目は1983年1月に登場した。

ストレート基調の端正な2ボックスで、標準ルーフのほか、背を35mm高くしたドルフィントップを設定した。

このシャレードで最大の注目はパワーユニットだ。直列3気筒のガソリンエンジンは珍しくない。が、世界最小のディーゼルエンジンも用意された。

どちらも直列3気筒SOHCで排気量は993ccだ。CL-10型エンジンは最高出力38ps/最大トルク6.3kgmを発生し、「ロックン・ディーゼル」のキャッチフレーズで人気者になった。

8月には3気筒ガソリンエンジン(GB50型)にターボを装着し、力強い加速を手に入れた。

そして、1984年8月にはターボディーゼルも投入、ターボの後押しによって50ps/9.3kgmを達成した。車両重量は700kgを切っているから、冴えた加速を披露した。

ストラットと5リンク・リジッド式のサスペンションも、ターボ車は強化され、意のままの気持ちいい走りを楽しめた。

そして真打ちが、1984年に投入したデトマソターボだ。粋なエアロパーツをまとい、イタリアのカンパニョーロ製マグホイール、モモ製レザーステアリングなど一流ブランドを採用。

小粒だが、ピリリとスパイスが効いたスモールカーが2代目のシャレードだ。

次ページは : トールボーイ旋風起こした「初代シティ」

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