■なぜ全身黒ずくめの3車種を矢継ぎ早に発売したのか、トヨタ広報部に聞いてみた
なぜ矢継ぎ早に全身黒ずくめの特別仕様車を発表したのか、トヨタ広報部に聞いてみた。
「今回ブラックの特別仕様車が続きましたのは、偶然です。特筆すべきことがなく恐縮です」とのことだった。
ちなみに、参考までに、各モデルの人気カラーは以下のようになる。
■ランドクルーザープラド
1位:ホワイトパールクリスタルシャイン
2位:ブラック
3位:アティチュードブラックマイカ
■プリウス
1位:プラチナホワイトパールマイカ
2位:アティチュードブラックマイカ
3位:シルバーメタリック
■C-HR
1位:ホワイトパールクリスタルシャイン
2位:ブラックマイカ
3位:ブラック×ホワイトパールクリスタルシャイン
※2021年1~4月
このデータを見ればわかる通り、ほぼ見事に白黒のラインナップになっていて、なんともコンサバではあっても、黒のボディカラーによる販売訴求は堅いビジネスということになる。
加えて「一般的な話として、黒や白は日本人には受け入れられやすいカラーのようで、それは先の3車種の人気カラーに、まさに表れているかと思います」(トヨタ広報部)とのこと。
また「ブラックでコーディネイトすることによって、スポーティさ、スタイリッシュさが向上し、特に若年層のお客様を中心に、好評をいただけるようです」(同)というのは、特別仕様車の買い得感なども含めて、至極真っ当な話ではある。
■BMWが投入したブラックスペシャル
いっぽう、これらのトヨタのブラックの特別仕様車の設定にどことなく影響を与えているように感じられるのが、ドイツ生まれのプレミアムブランドであるBMWとメルセデス・ベンツ&メルセデスAMGの存在だ。
決して特別仕様車を連発することなく、ほどよいタイミングと限られた数を販売するのは、ドイツ2強の優れたマーケティングのなせる業。高級輸入車ブランドでは顧客に対してカスタマイズが広く効くので、特別仕様車の数は想像するほど多くはない。
BMWは“ブラックエディション”や“ピュアブラック”、“ブラックアウト”の名を与えたブラック仕様の特別仕様車を登場させることを見ても、ブラックの特別仕様車を販促素材として巧みに活用している。
最近登場して完売となった特別仕様車を見ると、2020年11月にBMWオンラインストアにて10台限定で販売された、内外装をブラックで仕立てた「118dピュアブラック」は、ボディカラーにサファイアブラックを選定。ハイグロスブラック仕上げのキドニーグリル/バーやブラッククローム仕上げのテールパイプを与えていた。
これはあくまで参考だが、BMWは過去にこれぞ本物の「ブラック仕上げ」といえるコンセプトカーを仕立てている。
ナノレベルの超微細なカーボン素材で覆われた「ベンタブラック」と呼ばれる、まさしくスペシャル素材で仕立てられたBMW X6は、2019年9月のフランクフルトショーで披露された。
このモデルに施されたベンタブラックコーティングは、世界で最も黒く、可視光の99%以上を吸収し、ほとんどすべての反射を除去するとされ、ボディ表面は、人間の目には明確な特徴を失い、2次元に見えるとされ、まさに吸い込まれるような“漆黒”に仕上げられていた。
BMWジャパンは直近の6月30日からオンライン限定ストアにて、内外観を漆黒で統一した限定車「8シリーズフローズンブラックエディション」をクーペ(限定5台1500万円)、グランクーペ(限定15台1510万円)で販売した。
このフローズンブラックエディションはBMWのオーダーメイドプログラム、インディビジュアルの高品質ボディカラー、フローズンブラックを身に纏い、キドニーグリルや20インチのMライトアロイホイールをはじめ、ブレーキキャリパーなども漆黒。インテリアも専用のMスポーツシートやトリムなど漆黒で統一を図っている。
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