全国の自動車ディーラーは、8月10日頃からお盆休みに入る。この休みが終わると、一気に販売店は「売り」のフェーズへ突入するのだ。お盆明けは、年に数回ある商談チャンスの時期となっている。
なぜお盆明けは商談チャンスなのだろうか。その謎を、自動車ディーラーで営業活動に従事していた筆者が解説しながら、これから到来する、商談チャンスの生かし方をお伝えしていこう。
文/佐々木 亘
写真/TOYOTA、Adobe Stock(トビラ写真=ijeab@Adobe Stock)
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■8月に販売を最大化したい、ディーラーの「ある事情」とは
販売店が、クルマを積極的に売りたい時期は、好条件が出やすくなる。ではクルマを売りたい時期は、いつなのか。販売店の成果発表時期から、逆算していこう。
販売店が「成果」を発表する時期は、決算だ。対外的に自社の売上や利益を発表する決算期に合わせて、クルマが売れている状況を示さねばならない。多くの販売店では、3月に本決算を迎え、9月は中間決算の時期となる。
では3月と9月が、販売店の最も売りたい時期なのかというと、そうではない。実際に3月・9月は「登録」をしたい時期になる。これは、自動車ディーラー特有の「ある事情」がかかわっているのだ。
クルマの売上は、注文書を交わした瞬間に計上されない。会計上の売上が発生するのは、登録が終わった瞬間、つまりナンバープレートを取得した時である。
ここで、ナンバー取得に必要なものを確認しよう。買主の印鑑証明書、車庫証明、実印を押印するなど様々な書類や手続きが必要だが、これに加えてクルマのフレームナンバー(車台番号)を届け出る必要がある。
フレームナンバーは、クルマが生産工場で完成した瞬間に与えられるものだ。つまり、クルマが工場から出荷されなければ、ナンバーも取れず、登録も終わらない。
新車の製造には、おおよそ1か月~1か月半ほどかかる。だから、9月の中間決算期に登録をするために、7月中旬から8月のお盆明けまで、新車の注文を最大化する必要があるということになる。したがって追い込みのかかる8月は、商談チャンスの時期になのだ。
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