2000年代に復活した「フォードGT」
2002年、フォード社は往年の名車GT40の意匠を引き継ぐ新型車両の量産を発表。そのマシンは2005年に「フォードGT」の名称で登場し、1500台が限定生産された。
さらに2015年には、リニューアル版では2代目となる「GT」も登場。公道モデルが市販されると同時に、レース用のLM-GTE仕様も製作され、2016年のル・マン24時間レースでは、またしてもフェラーリとの死闘を制してGTEクラスで優勝を決めている。初代GT40の初制覇から数えて50年目の快挙だった。なお、この2代目GTは現在でも生産が続けられている。
オリジナルの図面で作られた21世紀のGT40
アメリカ・カリフォルニア州に拠点を持つSuperformance(スーパーフォーマンス)は、1960年代の名車レプリカモデルを製造するスペシャルカーメーカー。そのスーパーフォーマンスがリリースするGT40シリーズは、60年代に活躍したオリジナルの図面を使用し、可能な限り本物に忠実に仕上げられている。
もちろんライセンス生産車であり、正式に「GT40」の名称を掲げることを許されている。車体を構成する多くのパーツが、オリジナルモデルとの互換性を持っているのもポイントだ。ちなみに前出の映画「フォードvsフェラーリ」の劇中に登場したGT40も、スーパーフォーマンス製が使用されている。
スーパーフォーマンス製GT40では、フレームやボディはほぼオリジナルと同じだが、エンジンは新旧のものからチョイスでき、さらにサスペンションやブレーキ、冷却系など、安全性や信頼性に関わるユニットも現代風に改められている。エアコンも装備されているものの、パワステやABSなどの電子制御デバイスは搭載されていない。
これはもちろんオリジナルのGT40を尊重してのものだ。60年代のモンスターマシンを、当時のテイストのままドライブできるのが魅力といえる。なお、オリジナルのGT40はベース車両がイギリス製で、ル・マン24時間レースでのピットインも考慮して右ハンドル車だったが、レプリカ版では左ハンドル仕様も用意されている。
スーパーフォーマンスがプロデュースするGT40には、「マーク1」「マーク2」、66年のル・マン優勝車を模した「R」、1969年のル・マン優勝から50周年を記念して作られた「50THアニバーサリー」、リアウイング装着などの空力チューンが施された「FUTURE 40」の5タイプがラインナップされる。
販売価格はエンジンなどの仕様によって異なるが、日本円で2000~3000万円といわれている。もちろん高価ではあるが、オリジナルのGT40よりはひと桁少ない金額で、より信頼性の高いGT40を手に入れることができる。
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