ランエボX インプレッサWRX STI対決最終章!! 2008年最高4WDスポーツの実力


■勝つために選んだGRBインプのハッチバックデザイン

セダンタイプのボディに限界を感じたWRXはGRBでハッチバックスタイルを選択した

 WRXは、クルマが熟成し完成度を高めていく一方、WRCでは勝てなくなっていました。リヤに重量物のあるセダンタイプのボディでは勝てなくなっていたのです。そして勝てるパッケージングとしてスバルが選択したのがハッチバックデザインのGRBでした。

 リヤサスペンションもストラットからダブルウイッシュボーンに変更され、よりしなやかな動きを実現しました。サスペンションセッティングには、当時スバルのエースドライバーだったペター・ソルベルクも積極的に(開発に)関わっていたと言ってました(本人談)。

 そんな矢先、GRBが登場したその暮れに、スバルは2008年シーズンを以てWRCから撤退することを発表します。そのためGRBは結果を残すことはできなかったのですが、少なくともGRBインプレッサWRXは、WRCで再び世界を取りに行くために作られたクルマであったことは間違いありません。

 市販モデルでは、前後駆動量配分を41対59とGDBのF形のままとし、電子制御DCCD+機械式LSD御を進化させ、DCCDのオートモードに「プラス」と「マイナス」モードを追加を追加します。

 リヤサスペンションをダウブルウイッシュボーンにしてリヤサスの動きを滑らかにできたことで、DCCDによるトラクション性能が1ランクアップし、しかも自由自在なコントロール性、振り回しやすさも向上していました。

 特徴的なのは旋回加速時の曲がりやすさです。特に滑りやすい路面や雪道で強めの旋回加速を行ったときのライントレース性の高さは抜群でした。

■別々のアプローチで共に最高の進化を遂げた4WD

ランエボXから、XI、XIIと進化した姿が見たかった

 2008年当時、4WDの電子制御技術に関してはランエボXが世界をリードしていたように思います。ただ、先にも触れましたが、振り回すような走らせ方をしたときに4輪の駆動力制御を優先する印象があり、ちょっと窮屈な操縦感覚がありました。

 もし仮にランエボXI、XIIと進化が続いていれば、それも解消することになったのだと思います。実際アウトランダーPHEVやエクリプスクロスなどにS-AWC制御が採用されていますが、(制御の仕方は違いますが)違和感のない自在な操縦感覚があります。

 GRBは新シャシーと電子制御化によってトラクション性能を一気に高めることになりましたが、電子制御によって旋回性能を高めるのではなく、前後デフに機械式(トルセン系)LSDを採用するなどアナログな制御を残していて、それがドライバーに自由なドライブ感覚を作り出していたように思います。

 結局電子制御で高みを目指す三菱と、アナログなドライブ感覚で自在なドライブ感覚を優先したいスバルというキャラクターの違いは変わらず守られていたのでした。2008年当時、世界でもっとも進化した4WDだったことは間違いありません。

【画像ギャラリー】競い合ったからこその高性能化!! 互いに切磋琢磨して伝説となったランエボ&WRX!!