■5代目は先進装備満載!GT-FOUR は「エボ化」が進む
次いで1989年に登場したのが5代目(T180型)だ。カタログを開くとエディ・マーフィーが登場するのだが、それはさておき、4代目以上にヌメッ! としたエアロフォルムに進化した。
長いが資料を書き写すと“HUMAN DESIGN FROM HIGHTECH”“ARTISTIC IMAGE”“ORGANIC AND AERODYNAMIC FORM”の3つがテーマのスタイリングだった。
モデル後半にはブリスターフェンダーで全幅を1745mm(標準は1690mm)に拡大したGT-FOUR RALLY、同・RCも登場。RCは国内は1800台限定のWRC参戦ベースモデルで、フード上の大型エアインテークが特徴。
また4代目でも設定されたコンバーチブルも用意されており、このコンバーチブル改装はアメリカ・ASC(American Sunroof Corporation)社により行われた。
電子制御サスペンションのTEMSや4WS、オーディオではスーパーライブサウンドシステムなど、こだわりのメカニズム、装備が投入されたのもこの世代の特徴だった。
■6代目は3ナンバー化。フロント部が大胆に変化。2ドアモデルはカレンとして販売
6代目(T200型)は1993年の登場だった。プラットフォームの一新でボディ全幅が全車1750mmとなり、3ナンバー化している。カリーナED(3代目)、コロナEXiV(2代目)も同時に登場。
また北米市場ではセリカクーペだった2ドアモデルが、コロナクーペからカレンと車名を変えてこの世代で復活している。
スタイリングは、3、4、5世代目まで続いたリトラクタブルヘッドライトを止め、大小異なる独立丸型4灯ヘッドランプを採用した点が特徴。“カレン顔”ではない、北米仕様のセリカ2ドアクーペがベースのコンバーチブルも設定、ソフトトップは全自動電動開閉式を採用した。
GT-FOURは1994年WRC参戦ベースモデルが、国内2100台の限定で発売。このモデルは大型リアスポイラー、フードエアスクープを装備、搭載エンジンはツインエントリーセラミックターボの2L、3S-GTE型(255ps/31.0kgm)。
■最終モデルとなった8代目。全体的にコンパクトになり、軽快な走りが好評だった
そして1999年に登場したのが7代目(T230型)。この世代はライトな新感覚GT(発表時のニュースリリースより)をコンセプトにFF専用モデルとなった点が特徴。
全長が100mm短縮されただけでなく、フロント部はオーバーハングの短縮(-90mm!)とカウルの前出しで計240mmも短くしたのも回頭性のよさを追求した結果で、2600mmのロングホイールベースの組み合わせのFFながら、前:後=60:40の重量バランスを実現していた。
スタイリングは見るからにコンパクトで軽快な、言葉で表すと“シュッとした”もの。搭載エンジンは1.8Lの2種が設定された。
2000年2月には、専用エアロフォルムと高性能版エンジンのパワーをさらに10ps高めた“TRD Sports M”がモデリスタからリリースされ、その性能を説明した“社内資料”には何とインテグラタイプR が。そこにはかなりキッパリとした文面で、TRD Sport Mの優位性が語られていた。
とはいえ7代目登場時時点で、すでにトヨタ自身も“スペシャルティ車に対して若者の関心が集まりにくい現在の市場環境”とも認識しており、2006年、7世代/36年のセリカの歴史は惜しくも幕を閉じた。
初代で時代の先をいくクルマとして華々しく登場したセリカが、再び存在感を示してくれる日は、果たして来るだろうか?
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