トラックの自動運転 メーカー四社はどのようなロードマップを描いているか?


■他社に先駆けてレベル4の自動運転の実現を目指す/三菱ふそう

三菱ふそうスーパーグレートは、国内で初めて自動運転レベル2の高度運転支援機能「アクティブ・ドライブ・アシスト」(ADA)を搭載。また、ADAとともに、障害物検知にレーダーとカメラを組み合わせて精度と機能を向上させた衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト5」(ABA5)を採用。写真はそのデモンストレーションの模様

 自動車業界は現在急速に変化しています。柔軟性を維持し、新しいビジネスモデルとテクノロジーを活用してこれらの変化に対応していくことが重要です。

 完全自動運転トラックへのロードマップは、製品、お客様、環境の側面が重要と考えます。包括的なロードマップを定義するには、短期的には道路上の安全要件、ドライバーへのサポート、自動車保険、法規といった点に焦点を置き、長期的には機械学習、AI、電動化技術に焦点を当てることが重要です。

 三菱ふそうは商用車メーカーとして、自動運転レベル3をスキップし、他社に先駆けてレベル4の自動運転の実現化を目指します。レベル3の自動運転では、ドライバーはまだ自分の席にいる必要があるため、メリットはないと考えます。

 つまり、ドライバーは他のアクティビティ(休憩、コミュニケーション、計画等)を同時に実行できないため、お客様はその恩恵を受けられません。レベル4では、ドライバーが他のタスクをできるようになるため、運転の安全性も高めることができます。

その三菱ふそうスーパーグレートには、この6月から車線内停止方式のドライバー異常時対応システム「エマージェンシー・ストップ・アシスト」、左折時の巻き込み事故の被害を軽減する先進運転支援システム「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」(写真)が新たに設定された

 私たちは自動運転トラックとCACC技術の双方において、運転資格を持つドライバーの数と自動運転市場の進化が、今後の動きと発展を左右すると考えます。

 三菱ふそうは自動運転レベル2に相当する高度運転支援機能を搭載したスーパーグレートを発売し、また国交省主導の公道での最初の有人隊列走行の実証実験にも2018年に参加しています。

 トラックの各セグメントにおける自動運転技術は、アプリケーション本体によると考えます。大型車のセグメントでは高速で長距離の走行を可能にする機能が必要ですが、小型車のセグメントでは操縦とラストマイルの配達をサポートするテクノロジーが必要です。

 シームレスな物流のバリューチェーンを構築するために、各セグメント間の連携を可能にするテクノロジーに焦点を当てることも重要です。

 最後にUDトラックスの回答をご紹介します。

■最も重要なのは技術の安全性が充分に担保されていること/UDトラックス

UDトラックスは2019年8月に日本通運・ホクレンと共同で自動運転レベル4の実証実験を北海道で行なった。レベル4は限定領域での無人運転で、レーザー照射の散乱光を分析して人やクルマなどの障害物を高精細に識別する「LiDER」(ライダー)と呼ばれるセンサーやGPSなどを活用。約1.3kmの搬入ルートで計200回の自動運転走行を行なった

 トラックの自動化は物流の効率化やドライバーの運転環境改善などの社会課題を解決していくためのカギとなるテクノロジーですが、最も重要なのは技術の安全性が充分に担保されていることです。

トラックの自動運転の主な目的は、安全運転の支援やドライバーの疲労軽減の2つに絞られると思うが、いっぽうでカメラやレーダーなどによる高度運転支援システムに頼らず、操舵輪に掛かる力を直接検知して補正することで、車両の安定性向上を図り、安全運転や疲労軽減につなげようとする最先端技術もある。このほどUDトラックスが主力車型に設定した「UDアクティブステアリング」がそれで、こういったアプローチも当然あって然るべきだろう

 こうした意味において、レベル2とCACCは重要なステップです。しかしながら用途に応じて、これ以外の技術を提供していくことも大切だと考えています。

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