11代目となる新型シビックが2021年9月に発売される。9代目が日本国内では発売されず、10代目は北米より約2年遅れでの発売であったが、新型はほぼ北米と歩調を合わせての登場となる。
現行のホンダ車の中で最もデビューが古いのがシビック。これと同様に長命なのがトヨタカローラだ。6月の販売台数はシリーズで9189台が販売され、いまだに存在感を保っている。
そこで両メーカーを代表する2台の長命モデルの違いを検証してみた。
文/小林敦志、写真/Honda、ベストカー編集部
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■クリーンなエンジンを搭載するクルマとして名をあげたシビック
シリーズ11代目となる新型シビックが2021年9月3日に正式発売されることが発表された。今回国内に導入されるのは5ドアハッチバックのみとなり、ハイブリッド仕様やスポーツバージョンのTYPE Rが2022年に発売予定となっている。
初代シビックは1972年7月に発売となっているが、その名が広く知れ渡ったのは、1975年に1.5Lに続き、1.2LもCVCC化され、全車CVCCエンジンを搭載するあたりではないかと認識している。
CVCCとは“Compound Vortex Controlled Combustion”の略であり、排気ガス中の有害物質を希薄燃焼させることで少なくする技術となる。
通称“マスキー法”と呼ばれた、アメリカの大気汚染浄化法改正法は、当時世界一厳しい大気汚染浄化法とされていた。
名だたるメーカーであっても、マスキー法をクリアするエンジンを開発するのは至難の業といわれていたなか、このマスキー法を世界で最初にクリアしたのが、当時世界において4輪車ではほとんど無名に近い存在であったホンダであり、その名が世界に知れ渡るきっかけとなった。
日本国内でも二輪車メーカーのイメージがまだまだ強かったなか、“世界一厳しいアメリカの法律をクリアしたエンジンを搭載するクリーンなクルマ”としてたちまち大ヒットとなった。
■老若男女に幅広く愛されるクルマに
当時小学生だった筆者は公団住宅(団地)に住んでいたのだが、「地元で生産されている(筆者は埼玉在住だった)」というのも手伝い、筆者の住んでいる号棟でもたちまちシビックに乗り換えるひとが続出した。
田舎の祖母の家の隣の家の息子さんも、モスグリーンの1.2GFを新車で購入していた。当時CVCCと言われてもいまひとつ理解できなかった筆者も、“とにかく凄い技術”というのだけはわかっていた。
初代はスタイルを見る限りはハッチバック車のように見えるが、実は独立したトランクを持つ、2/4ドアノッチバックセダンがメインであった(ハッチバックもラインナップされていた)。
CVCCだけでなく、“台形スタイル”など、ホンダらしさが溢れるところもほかに多く、クルマ好きを中心に人気となったようだ。
3ボックススタイルとなる、本格的なセダンが登場したのは、2代目の“スーパーシビック”と呼ばれたモデルの時になる。
見た目こそ初代のイメージを強く残していたスーパーシビックであるが、スピードメーターとタコメーターが同軸に統合されたメータや。ロータリーチャンネル式のラジオなど、細かい所ではホンダらしいクセのある装備が目立っていた。
大学に入学するタイミングで運転免許を取得した筆者だが、その時地元の友だちがスーパーシビックの角目となった後期型の5ドアハッチバックを中古車で購入した。5速MTだったのだが、夜中にその友だちが誘いにきて、近所の峠を攻めにいっていたのをいまも覚えている。
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