■ブランドの継続はメーカーの体力の象徴
“継続は力なり”ではないが、カローラの先代(11代目アクシオ&フィールダー)では、グローバルモデルと日本仕様モデルは車名以外共通点がなく、国内仕様はヴィッツベースの5ナンバーモデルとなっていた(海外仕様は3ナンバーサイズ)。
それでも国内販売を継続するということは、プロダクトする側のメーカーでは体力のいる仕事となるが、そのインパクトは大きいものであるし、メーカーの体力を消費者に知らしめるひとつの表現方法となるのである。
また、カローラシリーズが今回3ナンバーとなったのは、セダンならマークII系やマークX、プレミオ&アリオン、プリウスなど、ツーリングならばプリウスやプリウスαなどのユーザーの囲い込みをも目的としている。
つまり、いままでのクラウン以外の絶版車や旧世代モデルのセダンなどに乗っているユーザーを取り込めるようにということで3ナンバーサイズとしている側面もあるようだと聞いている。
対してシビックでは、ホンダはすでに軽自動車やミニバン販売がメインとなっており、さらにアコードなどシビックよりアッパークラスのセダンユーザーは限定的となっており、自銘柄’(ホンダ車)ユーザーからの乗り換えを狙うといっても分母が少ないことも泣きどころとなっている。
令和の時代に、シビックやカローラと言う車名に特別な思いを寄せること自体、“オジさん世代のボヤき”かもしれない。
“世界市場でよく売れているホンダのコンパクトカー”がいまのシビックであり、「世界でよく売れているシビックというクルマの新型ですよ」と、過去のシビックを知らない世代にアピールして国内で売っていきたいというのがホンダの考えかもしれない。
国内販売を継続してきたことで、“代々守っていく掟”のような重責のなかで新型車をいまも開発していくカローラとは基本的なスタンスがもはや異なっているのかもしれない。
ただ、カローラも過去には若い世代に絶大な支持のある有名芸能人をCMキャラクターとして起用を続けた結果、カローラが昭和の時代にいまのヤリスやN-BOXのように売れていたことを知らない世代も、「●●(芸能人の名前)がCMしていたクルマ」として、なんの抵抗もなくスンナリ受け入れる若者も多いと聞く。
むしろ、過去を知っているオジさん世代のほうが、一部のクルマ好きを中心にカローラに偏見を持つひとが目立つようである。
つまり、復活したシビックが狙うべきともいえる、若年層もすでにトヨタが取り込んでいるともいえるので、空白期間をおいて「シビックです」といっても、どこか宙ぶらりんな存在になっているようにも見えてしまうのは筆者だけなのだろうか。
“継続は力なり”、まさにそれを地で行くのがカローラであり、シビックとの関係では、それがなおさらよくわかるような気がしてならない。
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