カローラにあってシビックにないもの 2大ロングセラーモデルを徹底比較!!

■シビックの影響を受けてライバルたちもサイズアップ

売れ行きアップの全ての要因がサイズアップだとは限らないが、大きな要員のひとつとなったことは確かだ
売れ行きアップの全ての要因がサイズアップだとは限らないが、大きな要員のひとつとなったことは確かだ

 先代が登場すると、同クラスライバル車が“シビックにならえ”とばかりに相次いでサイズアップを行った。別表を見ていただくとわかるが、VW(フォルクスワーゲン)ジェッタの北米仕様はシビック(現行北米セダン比/以下同)より突出して全長が長いが、全幅はほんの少し狭くなっている。

 韓国ヒュンダイ エラントラの北米仕様はほぼシビックと同じとなっている。対してトヨタ カローラや日産セントラは“ひとまわり”という表現まではいかないものの、シビックをはじめ、エラントラやジェッタより“ちょっぴりコンパクト”となっている。

 とはいえ、少し前までのCセグメント車よりはシビックの影響も受けてサイズアップしていることがわかる。

 このサイズアップはCセグメントに限ったことではなく、アコードクラスのDセグメントなどもサイズ拡大しており、あるレンタカー会社ではかつてミディアムクラスとされた、カムリクラスはいまやフルサイズクラスと呼ばれていたりする。

シビックの影響を受けてか、ライバル車のサイズも大型化の傾向にある
シビックの影響を受けてか、ライバル車のサイズも大型化の傾向にある

 日本と比べて道路環境がはるかに良い(舗装状態は除く)アメリカでは、サイズアップはそれほど気にされることはないが、これが日本だったら大騒ぎになりかねない話。

 しかし、カローラも現行モデルではついに日本国内でも3ナンバーサイズとなったが、それでもグローバルモデルよりは、全長及びホイールベースが短く、全幅が狭くなっている“国内専用(ほぼ)ナローサイズ”となっている。

 新型シビックは国内ではハッチバックのみとなるが、国内での月間販売計画台数は1000台。カローラシリーズは現行デビュー時の国内の月販目標台数はセダンが1700台、ツーリング5400台、スポーツ2300台となり、シリーズ計9400台となっている。

■カローラの名を絶やさなかったトヨタの戦略

国内販売されなかった時期があるシビックとは違い、カローラは登場以来その名を絶やすことなくラインナップし続けてきた
国内販売されなかった時期があるシビックとは違い、カローラは登場以来その名を絶やすことなくラインナップし続けてきた

 自販連(日本自動車販売協会連合会)統計による、2021年7月単月のカローラシリーズの販売台数は9242台となるので、月販目標を若干割り込む結果となったが、登録車のみでの販売ランキングでは3位となっている。

 ツーリングの比重が高いものの、1万台前後売る月も目立つカローラに対し、シビックの月間計画販売台数1000台は、カローラスポーツの2300台と比べても控えめに見えてしまう。

 両車はかつてファミリーカーとしてライバル関係にあり、自動車専門誌などではサニーやファミリアなども加えて、ライバル同士の比較記事がよく掲載されていた。そして、世界市場ではそれぞれのメーカーを代表する看板車種となっていた。

 しかし、いまはファミリアもサニーもいなくなり、シビックも月間計画販売台数1000台という少量販売車種となってしまった。

 そのなかで、シリーズ全体とはなるがカローラは月販1万台前後を維持している。国内販売でなぜこのような差がついてしまったのか? それはカローラが1966年以来55年間日本国内でラインナップを続けてきたのに対し、ライバルは次々に絶版となった。

 シビックも国内では絶版になったかと思いきや、8代目が販売終了してから10代目が国内で復活するまでに、7年ものブランクが空いてしまっている。

 刑事ドラマで刑事が殉職したり、普通のドラマでキャストが病死や事故死する時は、二度とそのドラマには復活させないためともいわれている(例外はいくつかある)。

 シビックは人気キャストが劇中で人知れずに旅に出て出演しなくなったものの、視聴率低迷などで再び街に戻ってきて出演するようになるようなものと同じような印象になって、絶版になるより、印象はあまりよくないと思うのは筆者だけだろうか。

 販売終了と聞き、「それなら」とシビックユーザーの多くは他銘柄(他メーカー)車へ乗り換えるひとが多くなる。ところが、「お久しぶりです復活しました」となれば、「はい?」と、あまり快く思わないひとも少なくないはずだ。

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