■サイズの肥大化で人気が下降→消滅を経ての復活、しかし……
思い出話はその辺りにしておいて、2代目以降、“ワンダーシビック(3代目)”、“グランドシビック(4代目)”、“スポーツシビック(5代目)”、“ミラクルシビック(6 代目)”、“スマートシビック(7代目)”といった、愛称がついていたころは日本国内でもよく売れていた。
ちなみにスポーツシビックの時のCMキャラクターは、当時映画“羊たちの沈黙”で話題を集めていたジョディ・フォスター(敬称略、以下同)であった。
このあたりの前後も含めると、インテグラがマイケル・ J・ フォックス(カッコ、インテグラ!)、レジェンドがハリソン・フォード、アスコットがエリック・クラプトンと、ホンダ車のテレビCMには世界的スターが相次いで出演していた。
当時この件で取材していた時に、「もちろんアメリカ国内ではCM自体はオンエアしていないが、アメリカではホンダ アコードを中心に、それまでBMWなどを好んで乗っていた、ヤッピーと呼ばれる若年エリートがこぞってホンダ車に乗るといったブームだった(当時)。
日本でのホンダのCMに出演しているというのは、アメリカ本国でのステイタスアップにつながるものと捉えられ、CM出演は快諾してくれていた」という話を聞いたことがある。
ただし、8代目で3ナンバーサイズとなり、しかもセダンのみとなったあたりから、日本国内では雲行きが怪しくなってきた。そして9代目は日本国内では販売されず、8代目が販売終了となった2010年9月から7年たった2017年9月に10代目が日本国内でラインナップされ、シビックの国内販売が久しぶりに復活した。
国内で復活したシビックだったが、販売状況は芳しくなかった。その原因についてはいくつかあるものの、その中のひとつとしては、ボディサイズがあまりに大きくなりすぎたことがある。
■大型化の影響から北米ではアコードを“喰う”ことも
10代目デビュー当時は“Cセグメント(シビックの属するクラス)の限界に挑んだ”といわれるほど大きくなった。9代目比では全長で約150mm、全幅で約50mm、ホイールベースでは31mm拡大している(セダン比/以下同)。
10代目デビュー当時は“Cセグメント(シビックの属するクラス)の限界に挑んだ”といわれるほど大きくなった。9代目比では全長で約150mm、全幅で約50mm、ホイールベースでは31mm拡大している。
情報を集めていると、“これだ”という明確なセグメント分けとなる数値などの根拠はないようだが、Cセグメントは全長が4200mmから4500mmとなっているようである。
10代目シビックは全長が4650mmとなっているので、一般認識では全長だけ見るとひとつ上で、アコードクラスとなるDセグメント並みとなっている。
南カリフォルニア在住で、現地の新車販売事情通にシビックの印象を聞いた。
「先代(10代目)シビックがデビューした時は、アメリカでも“大きいなあ”という印象が強かったです。新車販売では格上のアコードを喰ってしまうこともあり、よく売れました。
ちょうどアコードがフルモデルチェンジを控えた時期に先代シビックはデビューしていることもあり、先代シビックがアメリカでフル販売となった2016年の年間販売台数ではアコードより2万台ほど多く売っています。
ちなみにアコードはアメリカにおいてSUVブームがくるまでは、トヨタ カムリ、日産アルティマと、全米新車販売台数トップ争いを展開していたほどよく売れているモデルとなります。
直近の2020暦年締め(コロナ禍であまり参考にならないが)での年間販売台数では、アコードが19万9458台、対してシビックは26万1225台となっております。
ちなみにトヨタでは、カムリが29万4348台なのに対し、カローラは23万7178台となっていますので、シビックの“アップサイズ”は成功したものと統計上からも見てとれますが、アコードの販売状況に影響を与えてしまっているともいえるでしょう」。
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