Z32フェアレディZ一筋! 3台乗り続けた26歳女性オーナーの真実とは【Bestcar Classic オーナーズボイスVOL.10】

■失礼ながら、これまで大小の故障はありましたか?

・燃料ホースに亀裂が入り、エンジンルームが噴水状態
・プロペラシャフトのジョイントが固着してセンターベアリングを引きちぎっていた
・ヒーターレジスタが壊れて風量MAXしか出なくなった

 生産されてから20年を超えていますので、普通では考えられない故障にも遭遇します。そんな故障さえも愛おしく、メンテナンスも楽しみながら接しています。

整備要領書も単なるコレクションではなく、自身で整備を行ういづみさんにとってマストアイテム。燃料タンクのふくらみとラッゲージスペースの段差が2シーターの「証」だ
整備要領書も単なるコレクションではなく、自身で整備を行ういづみさんにとってマストアイテム。燃料タンクのふくらみとラッゲージスペースの段差が2シーターの「証」だ

 あまり壊さないようにと気を遣いながら乗るつもりはないんです。普通に使って、壊れたら直して…。普通のクルマとして扱ってあげたいんです。海や山にも行きますし。帰ってきたら洗えばいいんですから。どこか擦ったとか汚れが溜まった時は自分でやればいいと思っています。

 あくまでも自分の生活のパートナーであり、一緒にいるのが当たり前の存在です。走ってなんぼだし、職場への通勤を含めた移動手段でもある。そこらへんのクルマ好きの男なんか目じゃないよってよく言われます(笑)。

ホイールはむやみに大経化せず、純正から1インチアップの17インチに。深リム&黒ホイールが足元を引き締める。ホワイトのボディカラーとのマッチングも良くとても映える
ホイールはむやみに大経化せず、純正から1インチアップの17インチに。深リム&黒ホイールが足元を引き締める。ホワイトのボディカラーとのマッチングも良くとても映える

■純正部品の入手に苦労していますか?欠品・製造廃止している部品などご存知でしたら教えてください

 苦労していますね。特にZ32の生産台数は圧倒的に「ツインターボ・AT・2by2・Tバールーフ」が多いので、真逆のこの子はトランスミッションやプロペラシャフト、モール等々…製廃部品も多いです。

 運良く見つかっても、価格が上がりすぎていて簡単には購入できません(最終型ヘッドライトは左右新品で50万越えとか…)。

走る姿も美しい。デビューから30年以上経過した現在でも古さを感じさせない
走る姿も美しい。デビューから30年以上経過した現在でも古さを感じさせない

■愛車の主治医どのようなお店ですか?

 基本的に整備は自分でやることが多いですが、部品購入や重整備、アドバイスなどは、先代のZ32の頃から7年ほど相模原にあるZ32専門店の「Zone」さんにお世話になっています。整備の右も左もわからなかった頃から私自身の成長をずっと見守ってきてくださる大切なお店です。

 自分では作業できない領域や分からないところ、今後、どういうところが壊れていくかといったノウハウは格段にZoneさんがお持ちですし、困ったときの駆け込み寺でもあります。

“300ZX”の文字が赤いのが最終モデルの証。主治医であるZ32専門店“Zone”のステッカーもカラーコーディネート。実はこのテールランプ周り、新型Zのテールのモチーフになっている
“300ZX”の文字が赤いのが最終モデルの証。主治医であるZ32専門店“Zone”のステッカーもカラーコーディネート。実はこのテールランプ周り、新型Zのテールのモチーフになっている

■これからも乗り続けるご予定ですか?

 もちろん、乗れる限り、乗り続けるつもりです! エンジンが動く限り。エンジンが動かくても、直せる範囲なら修理して乗ります。

 ただ、載せ換えは考えたくないです。これまで1回もオーバーホールしていないのに、オイル漏れが少ないんですよ。鉄ブロックとしてはとても状態のいいエンジンなので、できるだけこの心臓部のままで走っていきたいなっと思っています。

2シーター、ノーマルルーフ、MT、そして最終モデル。存在自体が貴重な個体だけに、いづみさんのような大切にしてくれるオーナーにこそ乗り継いで欲しいクルマだ
2シーター、ノーマルルーフ、MT、そして最終モデル。存在自体が貴重な個体だけに、いづみさんのような大切にしてくれるオーナーにこそ乗り継いで欲しいクルマだ

■未来のオーナーのために購入時のチェックポイントや愛車のウィークポイントを教えてください

 Z32に限らず古いスポーツカーは、カスタムされているか、低走行かどうかに魅力を感じてしまいがちです。

 しかし、 社外品は純正品とは異なる壊れ方をする場合もありますし、より部品の入手が難しいこともあります。また、低走行の個体は放置車両であった可能性も高く、内部が錆に攻撃されていることもあります。

 まずはラジエーターキャップを空けて錆が浮いていないか確認してみてください。それと、下回りを見て錆とオイル漏れの状態を確認した上で、今後の維持にどのくらいの費用と時間がかかるかを総合的に判断して購入することをおすすめします。

レカロの限定シート”SR-ZERO”を装着。前オーナーさんから受け継いだものだ。レカロは単にホールド性の良いだけのバケットシートではなく、運転していても疲れないシートとしても日本で定着
レカロの限定シート”SR-ZERO”を装着。前オーナーさんから受け継いだものだ。レカロは単にホールド性の良いだけのバケットシートではなく、運転していても疲れないシートとしても日本で定着

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