近年主流となっている動画配信だが、大手の配信サイトはライバルに差をつけるため、大物クリエイターによるオリジナル作品をリリースしている。
今回ご紹介する『6アンダーグラウンド』は、マイケル・ベイ監督によるNetflixオリジナル作品。クルマ好きの監督が作り上げたアクション大作だ!
文/渡辺麻紀、写真/Netflix
【画像ギャラリー】時は来た!! 破壊王マイケル・ベイが大量のクルマをフィレンツェごとぶっ壊す『6アンダーグラウンド』を観る!!
■マイケル・ベイとNetflixが送り出すアクション大作
前回ご紹介した『トランスフォーマー』のマイケル・ベイは「破壊王」という異名をもつハリウッドのアクション監督だ。車はもちろん、船や飛行機、ビルや橋。何でもかんでも豪快に破壊することで知られている。
そんな彼の「破壊王」っぷりを存分に楽しめるのがNetflixで配信中の映画『6アンダーグラウンド』(19)。『トランスフォーマー』シリーズが『トランスフォーマー/最後の騎士王』(17)でひとまず終わり、久々にベイがその本領を発揮したアクション大作だ。
主演を張るのが『デッドプール』(16)で大ブレイクしたライアン・レイノルズということでも話題となった。
タイトルの意味はさしずめ「6人の密使」。「死」を装って世間から姿を消した6人が、表舞台では絶対に倒せない悪を葬るため命をかける。
その6人の内訳は、レイノルズ扮する“ワン”が資金を提供し、計画を立てる大富豪。“トゥー”が元CIAの女性エージェント。“スリー”はスゴ腕の殺し屋。“フォー”はパルクールの出来るストリートギャング。“ファイブ”は医師、“シックス”はドライバー、そしてのちに参入する“セブン”は元米軍の名スナイパー。
この7人が本名も素性も明かさぬままヒーローチームを組み、悪の限りをつくす中央アジアの独裁国家の大統領暗殺を謀る。
■古都フィレンツェをひっかき回す『破壊王』監督!
車ファンが見逃せないのは冒頭のカーチェイス。あのイタリアの美しい古都フィレンツェの市街地を、ライムグリーンに塗られたアルファロメオ ジュリア クアドリフォリオが時速160キロで疾走するのだ。
車道はもちろん、石畳の路地や広場、由緒正しき建造物内、あらゆる道&あらゆる場所をひたすら走り続ける。
トラックやバイク、自転車はもちろん、イヌや赤ちゃん、尼さん、結婚式中の新郎新婦、オベリスクや彫刻にニアミスしながら、アクセル全開で突き進む。
追うほうは、車が真っ二つになったり、撃たれた体が車からはみ出し、あらゆるモノにぶつかってボロボロになったりと、まさに目を覆いたくなる大惨事の連続。しかもそれが何と16分も続く!
このアクションを世界遺産や文化遺産だらけの街で、ほぼデジタルなしでやってしまったマイケル・ベイって一体……と思ってしまう人が続出したに違いない凄まじさ。
またこのカーアクションと同時に、あのドゥオーモの屋根を駆け降りるという生身のスタントもあり、いろいろな意味でハラハラドキドキの連続だったりする。カーアクションシーンの撮影だけで2週間を費やしたいというが、それも納得だ。
このカーアクションのドライバーを務めたのはベイが集めた世界最高のスタントマンたち。彼らの神業のおかげで古都を壊すこともなく乗り切ったそうだが、“シックス”を演じたデイヴ・フランコもドライビングの特訓を受けたのち、いくつかのシーンでは実際に運転したと言う。
当人曰く「ライアン(・レイノルズ)たちを乗せ、しかも早口で会話しながら運転しなくちゃいけない上に、すぐ後ろでは銃撃戦が繰り広げられ、車にも追いかけられ、それを交わしながらジグザグ運転するんだ。これまで経験したことのない大コーフンを味わった」。
このシーンを撮影するためにフィレンツェの市長と交渉したベイは「あなたの古都をズタズタにしますが、これまでの映画では描かれたことのないフィレンツェを映し出します」と言ってOKを貰ったそうだ。
確かに「ズタズタ」状態で、これまで見たことのないフィレンツェにはなっているが、その撮影を見ていたら肝が冷えたことだろう。
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