初代NSXからS2000まで!! 1990年代はホンダスポーツの黄金時代!!

■ビートにインテグラ……そして真打タイプR登場

1991年に世界最小のミッドシップスポーツとして登場したビート。オープンだがモノコックボディに工夫を凝らし、クローズドボディ並の剛性を確保した
1991年に世界最小のミッドシップスポーツとして登場したビート。オープンだがモノコックボディに工夫を凝らし、クローズドボディ並の剛性を確保した

 NSXを発売した翌年、91年5月には世界最小のミッドシップ・スポーツカーを発表した。それがハイメカを軽自動車の規格の中に押し込んだビートだ。

 ドライバーの背後に積まれるのはトゥディ用の直列3気筒SOHC4バルブだったが、大幅に手を入れている。MTRECと名付けた3連スロットルを採用し、電子制御燃料噴射装置のPGM-FIも装着した。ターボと同等の64psを達成し、ストローク40mmの5速MTを駆使しての走りが楽しい。

 サスペンションは4輪ストラットだ。前後を異径としたタイヤと相まって意のままの軽快な走りを実現している。オープンだが、モノコックボディに工夫を凝らし、サイドシルを二重構造としてクローズドボディ並みの強度と剛性を実現した。

 ソフトトップの開閉も簡単に行うことができる。ブレーキも軽自動車としては初となる4輪ディスクだ。なりは小さいが、メカは一級で、操る楽しさも兄貴分のNSXと変わらなかった。

 そして93年5月にはインテグラが第3世代に生まれ変わる。個性的な丸型独立4灯ヘッドライトを採用した3ドアクーペがベールを脱ぎ、夏にはホイールベースを延ばした4ドアハードトップを追加した。Siの心臓は1.8Lとしては初となるDOHC-VTECだ。

 スポーティな走りが自慢だったが、95年9月に真打ちが発売されている。それがレーシングカーの味わいと圧倒的なドライビングプレジャーの獲得を目指して開発し、送り出されたタイプRだ。

1995年登場のインテグラ タイプR。特に96年スペックモデルは刺激的な走りが楽しめた
1995年登場のインテグラ タイプR。特に96年スペックモデルは刺激的な走りが楽しめた

 NSXに続くタイプRの第2弾で、2つのボディタイプを揃えている。
タイプRはフロントにチンスポイラーを、リアにもスポイラーを装着した。軽量アルミホイールも専用品だ。

 搭載するのは1797ccのB18C型直列4気筒DOHC・VTECエンジンで、ピストンを専用品にし、バルブも新たに設計して追従性を高めた。リッター当たり出力は111psまで高めている。

 サスペンションはハードに締め上げ、フレームやリアサスペンションなども補強した。パフォーマンスロッドやトルク感応式ヘリカルLSDも追加している。

 FF車として初めてのタイプRだったが、「96スペックR」と呼ばれたインテグラはレーシングカーのようにエキサイティングだった。エンジンは8000回転を超えても息切れしないし、身のこなしも軽やかだ。

 98年1月には98スペックRに進化し、足元とブレーキを強化している。ECUの制御を変えたためエンジンは少しマイルドになったが、操る楽しさは格別だった。

■シビックにも待望のタイプRが

若いユーザーにも手の届くタイプRを、ということで200万円を切る価格で登場したシビック タイプR
若いユーザーにも手の届くタイプRを、ということで200万円を切る価格で登場したシビック タイプR

 インテグラにタイプRが加わった時期にシビックがモデルチェンジして6代目のEK系になっている。SiRとSiR-IIが積むのは1595ccのB16A型直列4気筒DOHC・VTECだ。

 もう少し若いユーザーに向けたタイプRが欲しい、と考え、開発に着手したが、DOHC・VTECはエンジン型式がB16B型に変わるほど大幅に変更を加えた。高回転に対応できるバルブシステムを採用し、吸・排気抵抗の低減も図っている。もちろん、足まわりもハードにチューニングした。

 タイプRは量産の自然吸気エンジンとしては世界トップレベルのリッター当たり出力116psを達成し、その気になれば8400回転まで実用になる。シビック生誕25周年の97年8月に発売されたが、販売価格は200万円を切るバーゲンプライスだった。

 走りの質が高いことに加え、リーズナブルな価格設定だったから、操る楽しさにこだわる若いドライバーは飛びつき、インテグラのタイプRに次ぐ販売台数を記録している。

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