最近のクルマは、めったに壊れないといわれているが、メンテナンスを怠れば、知らず知らずのうちに蝕んでいき、重大な故障を引き起こすこともある。
なかには壊れたら部品代や工賃があまりに高すぎて「大事にしていればよかった」と後悔した……なんていう人もいるだろう。
そこで、もし壊れたら高い部品と、壊さない、故障しないように寿命を延ばすためにどうすればいいのか、モータージャーナリストの鈴木伸一氏が解説する。
文/鈴木伸一
写真/Adobe Stock(トビラ写真/patrick@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】一度壊れると5万円以上吹っ飛ぶクルマの部品とは?
■壊れたら高いクルマの部品は特に大事にしたい!
近年のクルマはメンテナンスフリー化が進んだことで各部の耐久性が格段に向上。新車で初期不良に見舞われることなく1年経過したなら、その後の車検1、2回はオイル交換程度の軽整備で通ってしまう。
それゆえ、メンテを怠りがち。ひと昔前のクルマに比較して壊れなくなってはいるものの油断は禁物だ。クルマはあくまで機械物。定期的な交換が必要な消耗パーツの塊であり、それら消耗パーツは使っていれば摩耗するし、劣化もしてくる。
このため、ある日突然、壊れることも。何の手入れもせずに乗り続けていれば、その可能性は格段に高まる。
また、些細な故障が周辺に悪影響を及ぼし、玉突きのように拡散。重大なトラブルへと発展することも。数千円をケチったがために、数十万円もの修理代へと発展してしまうことがままあるのだ。
それでも、走行距離が少ない高年式車や古くとも車両価値が高いモデルであればまだしも、それだけの修理代をかけてまで乗り続ける価値があるのかどうか? 年数が経過したクルマだと悩んでしまうケースがままある。
そんな愛車の寿命にトドメを刺しかねないトラブルをいくつか下に列挙した。その中から遭遇しやすく、対処を誤るとさらに高額な費用がかかるトラブルを抜粋。そのなかから主なものを解説していきたい。
■高額な費用がかかるトラブル例
1:タイミングベルト切れ/工賃込み 8万~40万円
2:エアコン・コンプレッサー焼き付き/工賃込み:20万~30万円
3:パワーステアリングの故障/工賃込み:7万~20万円
4:ウォーターポンプの故障/工賃込み:2万~5万円
5:フロントガラスのヒビ割れ/工賃込み:7万円~10万円
6:オルタネーターの故障/工賃込み:5万~10万円
7:ドライブシャフトの焼き付き/工賃込み:5万~10万円
8:パワーウインドウの故障/工賃込み:5万円~
9:ブレーキローターの偏摩耗/工賃込み:3万~5万円
10:ホイールベアリングの焼き付き/工賃込み:1.5万~5万円
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