壊れたら高すぎるクルマ部品 寿命を延ばすにはどうする?

■タイミングベルト切れ/工賃込み:8万~40万円

これを絶対やってはいけないと恐怖に感じる人も多いタイミングベルト切れ(写真/ARTPROXIMO@Adobe Stock)
これを絶対やってはいけないと恐怖に感じる人も多いタイミングベルト切れ(写真/ARTPROXIMO@Adobe Stock)

 4ストロークエンジンの燃焼室に組み付けられている吸・排気バルブはカムシャフトで開閉されており、ピストンの動きに正確に追従させるため、クランクシャフトの2分の1の回転数に同期して回されている。

 そのカムシャフトの駆動方式、2000年代(平成2桁初期)以前は「コックドベルト」が主流だった。が、現在ではチェーンの改良(静音化)によって基本的に交換不要な「カムチェーン」へと主流が移ってきている。

 とはいえ、「コックドベルト」を採用しているエンジンもまだ存在する。もしも、愛車のエンジンがそのタイプだったら要注意!

 「コックドベルト」は10万km以上の耐久性があると言われているが、使用状況やメンテ次第で寿命が左右され、その距離に達する前に突然切れる(といっても歯が欠けるのだが……)トラブルに見舞われることがままある。

 「コックドベルト」が切れてしまうとエンジンが停止してしまい、再始動不可。エンジンによってはバルブが突き出した状態で止まるため、ピストンに突き刺さることも……。それゆえ走行中にトラブった場合、大変危険な状況となり、自走できないためレッカー車を呼ぶ必要も出てくる。

 そして、ベルト交換だけで済んだとしても5万~6万円。万が一にもエンジン本体に損傷を与えてしまった場合、エンジンO/Hもしくはエンジン交換となり、数10万単位(40万~50万円)の高額な修理代がかかることになる。

 このため、走行距離が10万㎞間近で乗り続けるつもりなら迷うことなくベルト交換を実施すべきで、できることなら5万~6万km走行した時点で点検を依頼し、万が一にもヒビ割れなどの異常が認められたときは早めに交換しておきたい。

 また、ベルト交換時は、ベルトがかけられているアイドラプーリーやテンショナープーリーといったプーリーも同時交換が原則。スムーズに回りガタもなかったとしても内蔵されたベアリングの劣化は確実に進んでおり、次回のベルト交換時期まで持たずに焼き付く危険があるからだ。

 万が一にもベアリングが焼き付くと「コックドベルト」に無理な負荷がかかって損傷し、ベアリング自体も分裂してボールが飛び散るなど、悲惨な状態に陥るためケチってはダメ。くれぐれも注意したい。

■パワーステアリングの故障/工賃込み:7万~20万円

極力、クルマが停止状態でのパワーステアリングの据え切りは控えたい
極力、クルマが停止状態でのパワーステアリングの据え切りは控えたい

 パワーステアリングの動作方式は「油圧式」と「電動式」の2タイプに大きく分けることができる。前者はパワステフルードによる油圧の力を利用、後者は電動モーターによって操舵力をアシストする方式で、平成二桁(2000年)以降、後者の電動式が主流となっている。

 いずれにしろ、本体が故障してしまった場合、20万円以上と高額の修理費を覚悟する必要がある。が、問題は安全性。コーナリング中に突然パワーアシストが切れたりすると非常に危険!

 片手ではハンドルを回せなくなり、両手でも力ずくでの操舵となるため思った通りのラインを描けなくなるという、事故に直結する危険なトラブルとなるだからだ。

 現在主流の電動式の場合、制御的なトラブルが発生した場合はメーター内の「警告灯」が点灯。油圧式がトラブルと異音を発したり、ハンドル操作が徐々に重くなってきたりする。そんなトラブルの徴候がみられたときは、ただちにプロに点検・修理を依頼したい。

 また、「電動式」はメンテナンスフリーで特に手入れは必要ないが、「油圧式」はパワステアリングフルードの液量チェックと定期交換が必須。正常ならフルード量が減少することはなくて液量不足は液漏れの疑いがあり、フルードが劣化すると液温が上昇しやすくなることでオイルシールが痛めやすく、それが原因で「フルード漏れ」を引き起こしやすくなるからだ。

 また、「油圧式」、「電動式」に関わらず長持ちさせるため、最大負荷のかかる「据え切り」は極力、控えたい。

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