■販売台数とタイプ別エンジン
さて、そんなCX-5ですが、販売状況はどうなのでしょう。最終の改良が終わった次の月、2021年1月からの販売状況をチェックしてみました。データは下記のとおりです。( )内は(順位/前年比)となります。
1月:2037台(29位/74.3%)
2月:2589台(24位/86.7%)
3月:4845台(20位/115.4%)
4月:983台(39位/103.8%)
5月:830台(40位/99.9%)
6月:1176台(32位/123.8%)
2021年前半6カ月での累計販売台数は12460台で、月平均にすると2077台といったところ。新車発表時の目標販売台数が2400台だったので、4年たった現在でこの数字を維持しているのはなかなかだと思います。
CX-5はグローバルモデルで、マツダの世界販売台数の4分の1を占め、先代からの累計で300万台以上の販売台数を記録しています。日本だけで「売れている」「売れてない」を判断するべきクルマではないのですが、日本でも十分な台数を販売していると言っていいでしょう。
CX-5の全長×全長×全高は4545×1840×1690(mm)で、全幅は1800mmを超えていますが現代のCセグメントSUVとしては割と平均的な数値とも言えます。この1840mmという全幅はCX-8も同一でCX-8の場合は全長を伸ばし、全高を少し上げたスタイリングとなっています。
CX-5には以下の4種のパワーユニットが用意されています。
●2.0リットルガソリン自然吸気
156ps/6000rpm、199Nm/4000rpm
●2.5リットルガソリン自然吸気
4WD用:188ps/6000rpm、250Nm/4000rpm
FF用:190ps/6000rpm、252Nm/4000rpm
●2.5リットルガソリンターボ
230ps/4250rpm、420Nm/2000rpm
●2.2リットルディーゼルターボ
200ps/4000rpm、450Nm/2000rpm
1車種で4つのパワーユニットをもつ国産車というのはかなり珍しいといえるでしょう。
どのエンジンがどんな使い方に合っているかは単純に決められません。というのも、エンジンによって駆動方式などがある程度限定されるからです。
2リットルガソリン自然吸気はFF車しか用意されません。一方、2.5リットルガソリン自然吸気は4WDがメインでFFは25S Lパッケージの1グレードのみとなります。2.5リットルガソリンターボと2.2リットルディーゼルターボはFFと4WDが選びやすい設定です。CX-5にはMTが設定されていますが、MTに乗りたい場合はパワーユニットはディーゼルターボのみとなります。
4種のパワーユニット、2つの駆動方式、2つのミッションという複雑な組み合わせのCX-5ですが、価格を比較解析していくと面白いことがわかります。まず、FFと4WDは価格差が23万1000円となります。同グレードFFと4WDが設定されるモデルで比較するとすべてが23万1000円の差です。ATとMTは同価格となっています。
前述のように2リットルガソリンはFF、2.5リットルガソリンは4WD中心のグレード設定で、同じ駆動方式、同じグレードという組み合わせはありません。しかし、2リットルガソリンFFの価格に4WDとの価格差である23万1000円をプラスすると、2.5リットルガソリン4WDの価格になります。
つまり、実質的に2リットルと2.5リットルの価格差はないことになるのです。4WDにするには2リットルの性能ではもの足りないので2.5リットルにしたけど、そこで価格アップはしたくなかった。2.5リットルにそのままのグレードでFFを設定するわけにはいかない……なので2.5リットルFFはLパッケージだけとして、4WDにはLパッケージを設定しなかったのでしょう。
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