初代Zを彷彿させる新型Zのパッケージ
今回の新型Z、シャーシは先代も使ったFR-Lプラットフォームをリファインしたもので、意地の悪い言い方をすれば焼き直しといったものだ。
しかしFRのスポーツカーということを考えた時、フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンクというサスペンションはほぼベストと言えるものであり、成熟の域に達した技術だけに完成度が高く、細部の煮詰めと電子制御の高度化で、充分に要求した性能を実現できているだろう。
この内容で440万円という米国での価格は、ドイツ車やアメ車と比べて、かなりリーズナブルと言える。それはパワーユニットもプラットフォームも有り物を上手く利用しているからこそ、実現できたものだ。
思えば初代フェアレディZのS30Zは、セドリック/グロリアやスカイラインなど既存車種のコンポーネンツを利用して、安く充分に高性能なスポーツカーを作り上げることで北米市場で大ヒットとなったクルマだった。
新しいZは、Z33、34からの正常進化とも呼べる構成だが、その成り立ちはS30Zに近付いた、まさに初代Zの再来と言っても良いコンセプトから生まれたモデルだ。
今回のモデルが2030年近くまで作られ続けて、次のモデルから電動化となるか、それともビッグマイナーチェンジで電動化を果たすかはまだわからない。
新型Zの販売台数の推移をみて、モデルチェンジのタイミングを日産が判断することになるだろうし、2035年もスポーツカーを作り続けることができるかは、まったく見通せない。
しかしZが存続し続けるのであれば、2030年あるいは35年には電動化を果たしていることは確実だ。それがEVになるのかハイブリッドになるのかも現時点では予測不可能。今は、新しいZをどうやって手に入れるか算段する方が、建設的ではないだろうか。
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