「T-spec」同士の違いは「軽量化」の量
「プレミアムエディションT-spec」のインテリアは、グリーンを基調とした専用色でコーディネートされている。本革巻ステアリングホイールやシフトノブ、ドアトリム、ルーフトリム(アルカンターラ)、専用キッキングプレート(T-specエンブレム付)などが専用装備だ。
また、専用レイズ製アルミ鍛造ホイール(ブロンズ)を装着し、バネ下質量の軽量化(1kg/1輪)も実現。上記のT-spec共通アイテムと併せて、約10kgの軽量化に成功したそうだ。そのため、サスペンションセッティングも専用チューニングされている。また、フロントホイールのリム幅を拡大(10J←9.5J)し、タイヤの横剛性が向上したことで、軽快でスムースなハンドリングを実現したという。
バネ下軽量化は、突起でタイヤが跳ねる量が減るので、足回りを柔らかくできる(※タイヤの縦バネとの兼ね合いでできないこともあるが)。足回りが柔らかくなると、ステアリングの修正操舵量が減り、運転が楽になって疲労が減る。
GT-Rは、2017モデルで大きく乗り心地を改善しているが、この「プレミアムエディションT-spec」では、そこからさらに扱いやすいGT-Rへとなっているのだろう。この「プレミアムエディションT-spec」の標準価格は税込1590万4900円だ。
一方の「トラックエディションengineered by NISMO T-spec」では、さらなる軽量化のために、専用カーボン製ルーフ、カーボン製トランクリッド(トリムレス、本革プルストラップレス仕様)を装備する。これらカーボン製パーツを採用したことで、軽量化代は約30kgにもなるという(※通常モデルのプレミアムエディション比)。価格は、税込1788万1600円だ。
今回のT-specに追加された、専用ボディ色のミレニアムジェイド(16万5000円)、ミッドナイトパープル(16万5000円)を見て、R33、R34のGT-Rを思い起こす方もいるだろう。なんとその当時、カラーデザインを担当していたのが、今回の「T-spec」のカラーデザインを統括した、現グローバルデザイン部部長の山口勉氏だという。
R35 GT-Rのチーフプロダクト田村宏志氏の指揮によって、この2色のオマージュが進められたそうだ。とはいえ、当時と同じ塗料は揃えることができず、「同じ色で!!」という注文は、非常にハードルが難かったという(チーフビークルエンジニア川口隆志氏)。
前回の2020年のアップデートで追加された「ワンガンブルー」に、往年のGT-Rファンは沸いたが、今回の2色も、これまで日産が築いてきた資産を上手く取り入れ、ファンを楽しませる要素を織り交ぜてきた。
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