実力の割に人気が低すぎる!? 過少評価されている現役国産車 5選

■日産 デイズ&ルークス

高度な安全装備と抜群のステアリングフィールを備えた日産 デイズ&ルークス。実力は折り紙付きながら販売台数に結びついていない(写真はルークスと、スポーティモデルのハイウェイスター)
高度な安全装備と抜群のステアリングフィールを備えた日産 デイズ&ルークス。実力は折り紙付きながら販売台数に結びついていない(写真はルークスと、スポーティモデルのハイウェイスター)

 軽ハイトワゴンのデイズは2019年、軽スーパーハイトワゴンのルークスは2020年にそれぞれ現行型2代目モデルに移行しており、どちらも両ジャンルにおいては最新モデルとなる。

 軽自動車は差別化が難しいジャンルだが、この2台はもともと高性能な単眼カメラとミリ波レーダーを使った自動ブレーキを発展させた、自車の2台前の先行車の動きもセンシングするインテリジェント FCW(前方衝突予測警報)を、軽自動車ながら装備するなど、高い安全性を備える。

 また、ハンドルを切った際にドライバーが感じるステアリングフィールも非常にスムースで、軽自動車では文句なしのナンバー1である。

 その割に2021年1月から8月までの販売台数は、デイズが登場の月間販売目標台数8000台に対し月平均約4200台、他社の軽スーパーハイトワゴンは月平均1万台を超えているのに対し、ルークスは約7300台と、実力と販売台数がシンクロしていないとしか言いようがない。

 デイズとルークスが実力ほど売れていないのは、軽自動車は「クルマ自体の善し悪しよりも、今までの付き合いや見た目の好みで選ばれることが多い」という、軽自動車市場の習慣のようなものの方が大きな原因なのかもしれない。

■ホンダ ステップワゴン

ホンダ ステップワゴン。ターボエンジンを搭載することにより、動力性能はライバルを圧倒する。しかしフロントデザインの大人しさからか販売台数は伸び悩む(写真はステップワゴンスパーダ)
ホンダ ステップワゴン。ターボエンジンを搭載することにより、動力性能はライバルを圧倒する。しかしフロントデザインの大人しさからか販売台数は伸び悩む(写真はステップワゴンスパーダ)

 トヨタ ヴォクシー(2014年登場)、日産 セレナ(2016年登場)、ホンダステップワゴン(2015年登場)というミドルBOX型ミニバンは、現在3台ともモデル末期である。

 そのなかで、ヴォクシー/ノア/エスクァイアのガソリン車、セレナのマイルドハイブリッド車が2L・4気筒NAエンジンを搭載するのに対し、ステップワゴンは1.5L・4気筒ターボの搭載により、回転フィールなどのエンジンの質感は2台を圧倒する。

 また、ステップワゴンはハイブリッドの動力性能も2Lエンジンを搭載することなどから2台を圧倒。また、ヴォクシー三兄弟に対しては自動ブレーキ&運転支援システムの性能、セレナに対してはハンドリングと乗り心地のバランスで圧倒的に上回っている。

 つまりステップワゴンは、2台に対し総合性能が高く、筆者は「この3台から選ぶならステップワゴンしかない」と思っているほどである。

 それにも関わらず、ステップワゴンの2021年1~8月までの販売台数は、月平均約3400台と、ヴォクシーの半分近く、セレナの70%程度と、クルマの実力を考えたら気の毒になるくらいだ。

 ステップワゴンが販売台数は2台に水を空けられている理由は、初期モデルのフロントマスクがスポーティなスパーダでも大人しすぎ、ミニバンユーザーが好む押し出しに欠けていたことだけだろう。

 また、ハイブリッドを追加した2017年のビッグマイナーチェンジで、スパーダのフロントマスクを変更しても販売台数が伸び悩んでいるのは、同時期にホンダ社内でN-BOXのフルモデルチェンジとシビックの日本市場復活があり、販売現場でのステップワゴンに対するケアが手薄になったこともありそうだ。

 それだけにステップワゴンには次期モデルで、今までのうっぷんを晴らすような活躍を見せてほしい。

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