■エスクァイアの残した功績
●ユーザーの選択肢が広がった
トヨタ店でも5ナンバーBOX型ミニバンが買えるようになっただけでなく、「プチラグジュアリーなエスクァイア」という選択肢も加わった。また、ユーザーの中はエスクァイアとヴォクシー&ノアそれぞれの見積もりも取ることで、値引きが拡大したというケースもあっただろう。
●エスクァイアもよく売れ、ヴォクシー三兄弟の拡販に貢献した
上の表はエスクァイアの販売が本格的に始まった2015年以降の5ナンバーBOX型ミニバン三強の販売台数である。普段気にすることはあまりないが、ヴォクシー三兄弟の絶対的な販売台数に加え、販売台数の変動少なく売れている点が目を引く。
同時にトヨタの原則全ディーラー全車種扱いが始まるまでは、ヴォクシー&ノアよりも高価でバリエーションが少ないエスクァイアもこれだけ売れていたことにも驚く。
エスクァイアがこれほど売れたのはヴォクシー三兄弟の拡販だけでなく、セレナとステップワゴンへの流出抑制といった面でも役割は小さくなかったのではないだろうか。
■ヴォクシー三兄弟は今後どうなる?
トヨタの全ディーラー全車種扱いにより、それなりに売れていたにせよ歴史も短いエスクァイアが廃止になるのはやむを得なく、「そろそろ」と思われるフルモデルチェンジのタイミングでヴォクシーとノアが統合されるのは確実だ。
その前触れのように標準系とエアロ系があるノアに対し、ある時期からヴォクシーはエアロ系のみ、エスクァイアもグレード体系が縮小された。この動きからヴォクシー三兄弟は、ヴォクシー&ノアになる前のFR時代からタウンエースノアとライトエースノアで名前のあったノアが残る方向に見えた。
しかし、表の通り売れているのは圧倒的にヴォクシーであり、残るのはヴォクシーとなる可能性が高い。
その際には標準系がノアの雰囲気、エアロ系はヴォクシーを踏襲、プチラグジュアリーなグレードを設定しエスクァイアユーザーの受け皿とする、といった構成も考えられる。
もし、次期ヴォクシー(仮)にプチラグジュアリーなグレードが設定されることがあれば、その点もエスクァイアが残した功績になるのではないだろうか。
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