日本車はカッコよくなったのか? 昭和vs平成 国産名車デザイン7対決

■スポーツカー部門デザイン対決その2


●昭和代表/初代セリカ
●平成以降代表/現行スープラ

シンプルかつ美しい造形の初代セリカ。リアフェンダーの流線型の曲線はジェット機をモチーフにしたもの
シンプルかつ美しい造形の初代セリカ。リアフェンダーの流線型の曲線はジェット機をモチーフにしたもの
現行型スープラ、初代と比べるとずいぶん筋肉質になった気がする
現行型スープラ、初代と比べるとずいぶん筋肉質になった気がする

 初代セリカは「ダルマ」と呼ばれた昭和の名作。それにぶつけるべきは、リボーンしたスープラだろうということで、選出させていただきました。

 ダルマセリカは、当時の国産車としては珍しかった曲線的なフォルムから命名されたが、今見てもシンプルで美しい。イメージは、「大空を飛ぶジェット機」だったという。リアフェンダーのふくらみは、ジェット機の翼が発生させる空気の流れのイメージなのですね。

 対する現行スープラは、筋肉が付きすぎて女子から嫌われるボディビルダーっぽくはないだろうか。すべての造形が溶けて流れ落ちそうで、それが豊かさを連想させない。マッチョすぎて速さも強さも感じさせない……。

 ということで、初代セリカの圧勝。現行スープラを出した時点で失敗でした。ごめんなさい。

■セダン部門デザイン対決


●昭和代表/ブルーバード510型
●平成以降代表/プリメーラP10型

初代510型ブルーバードの高性能モデル「SSS(スリーエス)」
初代510型ブルーバードの高性能モデル「SSS(スリーエス)」
1989年10月にデビューした初代P10型プリメーラ。設計開発を手がけたのはR35型GT-R開発責任者の水野和敏氏
1989年10月にデビューした初代P10型プリメーラ。設計開発を手がけたのはR35型GT-R開発責任者の水野和敏氏

 昭和のセダン代表が510ブルという選出に対しては、大いに異論もあるでしょう。対抗馬はハコスカでしょうか? でもね、510とハコスカを見比べるほど、510のスッキリしたさわやかな味わいが心に沁みるんですよ。

 昭和はセダンの全盛期だったから、他にもあるんじゃないかと思ったけど、一番シンプルにカッコいいのは510でした(私見です)。

 対する平成の国産セダンは……。これがもうぜんぜん思い浮かばない! もちろんいいデザインもたくさんあったけど、「これ!」というのがない。

 個人的には8代目アコードや5代目インスパイアは、シンプルでバランスがよくてスポーティだと思うのですが、あまりにも世間的なインパクトがなく、ほとんどの人が形を思い浮べられない。

 そこで、地味ながら世紀の佳作と言われた初代プリメーラにさせていただきました。これも平成初頭の作品ですが。

 で、510対P10。P10もいいんだけど、やっぱり佳作なんだよね。一方510のフォルムは、今でもリバイバルさせたいシンプルな力強さに満ちている。日産IDx、商品化してほしかったなぁ。

 ということで510の勝ち! なんと昭和の3連勝。大丈夫か平成。

■ハッチバック部門デザイン対決


●昭和代表/3代目シビック(ワンダーシビック)
●平成以降代表/現行マツダ3ファストバック

ホンダがF1に復帰する1983年に登場した3代目ワンダーシビック。メカスペースを最小限に、居住空間を最大限に確保する「M・M思想」を体現した1台だ
ホンダがF1に復帰する1983年に登場した3代目ワンダーシビック。メカスペースを最小限に、居住空間を最大限に確保する「M・M思想」を体現した1台だ
鼓動デザインに磨きをかけたマツダ3ファストバック。色気すら漂うデザインにワンダーシビックもかなわない!?
鼓動デザインに磨きをかけたマツダ3ファストバック。色気すら漂うデザインにワンダーシビックもかなわない!?

 現代の日本車デザインの最高峰のひとつが、マツダ3ファストバック。対する昭和代表はワンダーシビック! どちらもシンプルな美を極めた作品だ。勝つのはどっちだ!?

 コンセプト的には、シビックの勝利だ。マン・マキシマム、メカ・ミニマムを体現した砲弾型デザインは、まさに機能と美の両立!

 対するマツダ3も、シンプルな美を極めているが、かなりデザイン優先で、居住性が割を食っていたりする。

 しかしそれでも、マツダ3のパネル面の美しさは凄い。どこにも余計なラインやエッジがない。まさに彫刻! ここまで気合を入れてデザインしてくれたら、マツダ3を応援したくなる。マツダ3ファストバック、平成以降の勝ち……でいいですか? ようやく1勝。

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