●ルーミー、実は宿題多し!?
登場から時間が経過したにもかかわらずヒットを続け、月販台数上位の常連のクルマたち。売れてはいるが課題(宿題)はあるはず。ここからはそんなモデルを見ていこう。
まず、タンクがなくなって1車種に集約された直近は月販2位が定位置となるほどの人気ぶりに驚かされたルーミー。筆者はこのクルマにしばらく乗っていないが……、バタついて騒々しい乗り味や、エンジンやCVTの完成度など、気になるところが多かったように思っている。
もちろん最新型では改良されているだろうし、そうでなくては困るのだが……。
でもまぁ、そんなことおかまいなしにこれほど売れてるんだから大したものではある。けど、軽自動車のようにトレッドの制約を受けないのだから、その自由度をもっと活かすべきと思う。
●スイフトスポーツは6200rpm頭打ちが宿題
高い評価が続くスイフトスポーツ。このクルマの宿題は意外やエンジン。初のターボは速くてレスポンスもいいんだけど、よすぎて6200rpmで頭打ち(実際はもう少し下。ATはもっと下)になるのがどうにも惜しい。いきなり頭打ちが訪れるのがよろしくなくて、速いがゆえにそこが目立ってしまうのが悩ましいところだ。
ちなみに欧州で採用されたマイルドハイブリッドを採用していないことが宿題と思う人もいるだろうが、「NO」です。実はあれは重くなるしお金もかかる。燃費対策やメーカーとしての姿勢を示すために仕方なく付けた感じ。日本仕様に搭載されていないのは、むしろ喜ぶべきこと。
●アルファードにも宿題あり!
最後はアルファードとN-BOXという大小背高箱型の代表選手。それぞれ果たすべき使命をほぼ完璧にまっとうしているので、宿題としてはナシってことで……。
現行型の登場当初は何かと気になる点もあったアルファードは、マイナーチェンジで大幅に改善されて乗り心地や直進性の不満がなくなった。強いて挙げると予防安全技術が最新版でないことくらいだけど、現状でも充分。
「強いての宿題」をあげることもできないN-BOX。これ以上を求めるのは酷というほど、出来がいい。販売台数軽1位を維持するのもナットクだ。
■人気輸入車の宿題
(TEXT/松田秀士)
続いては輸入車編。評価が高い4台が登場するが、それらに宿題(課題)はあるのでしょうか? 松田秀士さん!
2019年に新モデルが登場したBMW3シリーズ。エンジン縦置きのFRでxDriveと呼ばれる4WDも。直4も直6もあり多彩なラインナップだ。が、安全面でひと言、つまり宿題がある。ADAS(運転支援)について。
これまでのBMW車ではACCとLKA(車線内中央維持)は、それぞれセパレートして設定できた。例えばLKAのアシストはしてもらうけどACCは切って自分でアクセルとブレーキはコントロールすることが可能だった。
が、新型3シリーズからはACCとLKAがセットになってLKA単独で使うことができなくなっている。
例えばACCとLKAで走行中、急に割り込んでくるクルマがあってブレーキを踏むと両方揃って解除される。この場合、以前のモデルだとACCだけ解除されてLKAは引き続きアシストしてくれていたのだ。どちらが安全かというと、ボクは旧型のほうだね。
●上級グレードらしさが……
新型ゴルフは48Vマイルドハイブリッドの採用で燃費が向上。特に3気筒エンジンの1.5Lモデルは室内では振動もノイズも、3気筒特有のものは皆無。走行中も頻繁にエンジンを停止してコースティングするなど、燃費節約の実態を把握しやすい。
が、宿題もあり、リアサスを独立懸架にした上級のスタイルグレードの乗り味だ。廉価グレードのアクティブのリアサスは左右が繋がったトーションビームで、市街地レベルの走行では2つのグレードに大きな差を感じない。アクティブのトーションビーム全体を覆うアンダーカバーは空力的にメリットが高いのに、上級のスタイルにはカバーなし。これじゃ、ちょっとね。
●運転支援機能が△印
プジョー208はこの性能、このハンドリング、この装備でこの値段。「ちょっとひと言」がないモデル。あえて言うなら、昔のようにもっとサスペンションをソフトに仕上げてほしかった、くらいかな。
ディフェンダーは完璧な一台といっても過言でない完成度の高いSUV。110の直6ディーゼルエンジン+マイルドハイブリッドは、8速ATとの相性もよくスムーズで静粛性高く、素晴らしいパワートレーン。
でもね、LKA(レーンキープアシスト)が中央維持機能を備えておらず車線逸脱時のみに戻すレベル。これは宿題でしょう! 性能面では上位機種のレンジローバーと肩を並べるほどの仕上がりなのだから、ここはADAS(運転支援)機能をパーフェクトにしてほしい。改良に期待!
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