超貴重!世界限定19台!? ランボルギーニ シアンロードスターに乗った!!

■気を取り直してインプレ開始!

 前置きが長くなったが、シアンロードスターの本邦初インプレッションである。否、ひょっとするとシアンそのものにジャーナリストが試乗することも初めてなんじゃないか。試乗リポートを報告する前に、簡単にシアンロードスターについて振り返っておこう。

 シアンはアヴェンタドールの骨格やメカニズムに小改良を施したハイブリッドV12の2シーターミドシップスーパーカーだ。アヴェンタドールに対してスーパーキャパシタをリアバルクヘッドに追加し、34psの48V駆動電気モーターを785psV12とISRミッションとの間に挟み込んだ。クーペFKP37は63台、ロードスターは前述したように19台という超のつく限定車である。

 スタイリングはチェントロスティーレで、実を言うとシアンベースで登場した新型カウンタックを待つまでもなく、こちらが本来カウンタックオマージュデザインだった。そのことはクーペのルーフ周りの造形からも明らかだろう。

ランボルギーニ本社のチェントロスティーレデザインセンターで生み出されたシアン。本車をベースとして開発中の新型カウンタックを待つまでもなく「カウンタックオマージュデザイン」だという
ランボルギーニ本社のチェントロスティーレデザインセンターで生み出されたシアン。本車をベースとして開発中の新型カウンタックを待つまでもなく「カウンタックオマージュデザイン」だという

 それにしても素晴らしいコンフィグレーションだ。世界中のシアンをインスタグラムで見てみたが、エレガントさという点でこの個体は抜きん出てる。シアンともなれば100%アドペルソナム、つまり特注で“なんだってできる”。

 この何でもできるというのが実は曲者で、色使いひとつをとってもチェントロスティーレからこれまでなかった提案を見せられたりするものだから、ついつい“あれもこれもやっちゃえ”になってしまう。だから世界のシアンはちょっと首を傾げる色味が多い。

 実際、筆者が初めてシアンを内見した際、チェントロスティーレで見たさまざまなペイントオプションはいずれもちょっとやり過ぎで、かっこいいとはまるで思わなかった。もとより派手で目立つマシンなのだ。この個体のようにできるだけ色味を抑える方向に逆張りするほうがかっこいいと思う。

リアウイング展開状態。裏面への配色もオーナーのセンスが光る
リアウイング展開状態。裏面への配色もオーナーのセンスが光る

 ちなみにロードスターは完全なるトップレス、つまり屋根はない。取材当日は薄曇りで、途中で雨が降らないかとそれもまた気がかりだったのだが……。

■アヴェンタドールの完成形

 結論からいうと、その走りは「これぞアヴェンタドールの完成形」だった。時代が許せばおそらく、この乗り味がアヴェンタドールの後継でもよかったのではないか、とさえ思う。電動化へのプレッシャーがさほど大きくなかった頃には、スーパーキャパシタを使ったハイブリッドV12を後継モデルに使うという腹案もあったのではなかったか。

 アヴェンタドールのモデルチェンジが予定の10年を超えてまだ行われていない背景には、やはりプラグインではなければ社会から認められないという方向転換がグループ内で決められたからなのだろう。かくしてアヴェンタドール後継モデルは現在、プラグインハイブリッドのV12として開発が進んでいる。

 それはさておき、シアンロードスターの乗り味をアヴェンタドールの完成形と表現したことには理由がある。それはISRミッションの変速ショックがかなり和らげられていたからだ。筆者はシングルクラッチ式の2ペダルミッションがさほど嫌いではない。

 そもそも3ペダルマニュアルドライブが好きなタチだから、つんのめりショックを回避するドライブテクニックも楽しみのひとつだと割り切っていた。ところがDCTが2ペダルの趨勢となってシングルタイプが減ると、途端に文句をいう人も増えたようだ。面白いことにアメリカ市場ではさほど文句も出なかったらしい。変速のあのダイレクト感こそがアヴェンタドールである、と!

次ページは : ■モーターアシストの恩恵はダイレクト感を増大する

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