ミッドシップレイアウトの2シーターといえばフェラーリかポルシェだが、農道では軽トラだ。ミッドシップの2シーターでおじいちゃんおばあちゃんのヒーローだった。しかし、近年その軽トラカスタムが人気沸騰中。なんでまた軽トラなのか、専門ショップであるGTカープロデュースに聞く。
文/加茂 新
写真/加茂 新
■軽スポーツがなくなり、主流は軽トラにシフト
農道のフェラーリである軽トラだが、カスタムベースとなったのはここ5~6年のことであるという。
「カプチーノやビートがなくなり、だんだんと遊べる素材がなくなってきました。そこで新たに注目されたのが軽トラです。車両価格も安く、いろいろな楽しみ方ができると人気です」とGTカープロデュースの高原代表。
主なユーザー層は40~50代。かなりの割合で若かりし頃にチューニングカーの乗っていた世代だという。
「子供が生まれてシルビアをミニバンに乗り換えた」
「妻に2シーターは禁止されてステーションワゴンに……」
のようなユーザーが多いという。
そして、
「子育てもひと段落して、またクルマ遊びがしたい」
「車両も安くて、いろいろな楽しみ方ができる」
「軽なら税金も安く、妻のGOサインをもらえる」
ということから、盛り上がっているのだという。
■硬派なスズキ キャリィか、ポップなダイハツ ハイゼットか
現在買える軽トラはキャリィとハイゼットの2種類。過去にはホンダ アクティと、スバル サンバーも存在したがどちらも姿を消してしまった。
キャリィとハイゼットはカスタム業界でも熾烈な争いを演じている。台数的にはほど同じだが、ややハイゼットが多いくらいで大差はない。
性能的にはほぼ同じ。だが、ハイゼット方がボディ色が多い。
軽トラと言えば白!! あとはグレーくらいしかないのが普通だった。しかし、近年のカスタム需要にいち早く反応したのがダイハツ。現在はオレンジ、ミント、カーキ、ローズ、ブルー、ブラック、シルバー、ホワイトの全8色ラインアップされる。
対するスズキ キャリィはノクターンブルー、カーキ、ブラック、シルバー、ホワイトの全5色。オレンジやミント、ローズというポップな色がなく、ちょっとさみしい。
奥様が財務相を担う家庭では「ん~、オレンジならかわいいから買ってもいいわよ」なんてことも多いらしく、ややハイゼットが有利だという。
しかし、カスタム派の熱い支持を集めるのがキャリィだ。もともと軽トラには各社NAエンジンしかないが、キャリィのターボ化チューンは定番なのである。軽バンのエブリィにターボエンジンがあるので、それをそのまま持ってきてターボ化することが多い。意外と手軽に大幅パワーアップも可能なのだ。
「ハイゼットもアトレーなどのエンジンでターボ化はできますがごく少数です。ターボ化はなぜかキャリィばかりですね」と高原さん。
スズキの軽というと脈々と続くアルトワークスがあり、そのハードなチューニングと速さは一世を風靡した。その頃からのカスタムイメージから、アルトワークス=スズキ=ターボ=キャリィとつながっているようなのだ。
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