「ちょうどいいホンダ」でもお馴染み、フリードはなぜトヨタのライバルに勝てる?
ホンダの人気ミニバン、フリードが好調だ。直近の2021年9月には6128台を販売し、登録車7位。競合するシエンタの4807台を上回っている。このほかホンダの人気車種を見ると、フィット、ステップワゴンはそれぞれトヨタのヤリス、ヴォクシー/ノア(合算で同月に5000台超を販売)に負けているのにも関わらずだ。
なぜフリードだけがトヨタのライバル車に勝っているのか?
文/渡辺陽一郎、写真/HONDA、TOYOTA
■ライバル車のトヨタシエンタを上回る販売台数を記録するホンダフリード
1990年代の中盤以降、急速に普及したミニバンは、今では日本車の売れ筋カテゴリーとして定着した。車種数と販売台数が多いのは、ヴォクシー/ノア/エスクァイア、セレナ、ステップワゴンといったミドルサイズだが、ホンダ フリードとトヨタ シエンタというコンパクトミニバンの需要も根強い。
コンパクトミニバンの売れ筋は、実質的にこの2車種だから、販売面でも一騎打ちになる。2021年1~9月の登録台数を月平均で見ると、フリードが5877台、シエンタは5124台だからフリードが優勢だ。「ホンダVSトヨタ」の販売合戦は、コンパクトカーのフィットVSヤリス、LサイズミニバンのオデッセイVSアルファードなど数多くあるが、ホンダ車の売れ行きがライバルのトヨタ車を上まわることは珍しい。
両車の発売時期は、現行シエンタが2015年7月、フリードは2016年9月だ。2017年の登録台数は、月平均ではフリードが8700台、シエンタは8071台になる。フリードが発売の翌年とあって、僅差でリードしていた。
ところが2018年は、フリードが1か月平均で7010台と大きく下がり、シエンタは7837台だから販売合戦で逆転した。さらに2019年は、シエンタが発売から4年を経ながら、1か月平均で9240台に達している。フリードも7133台と若干上向いたが、シエンタが大幅にリードした。
それが2020年になると、フリードは6357台、シエンタは売れ行きを34%落として6057台に留まり、フリードが抜き返した。2021年も前述の通り、フリードが5877台だから、シエンタの5124台を上まわる。
以上のように2017年はフリードが多く、2018年と2019年はシエンタが上まわり、2020年と2021年は再びフリードになった。なぜライバル同士で販売順位が入れ替わったのか。
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