2021年9月、首都高走行中に猫の鳴き声に気づいたドライバーが、エンジンルームから子猫を3匹救出した、というニュースが報じられました。
JAFによると、2018年1月1日~1月31日の1か月間で、ドライバーから「エンジンルームに動物がはいり込んでしまった」との要請があった件数は27件。このうち「猫」が25件だったとのこと。
意外と多い、エンジンルームへの動物のはいり込み。前出のドライバーさんは、クルマの下に入り込んで3匹を救出したそうですが、動物の入り込みに気づいたらどう対応すべきなのでしょうか。はいり込みを防ぐ方法とともに、ご紹介します。
文/吉川賢一
アイキャッチ写真/Anna Reich-Stock.Adobe.com
写真/日産、平野学
気をつけるのは冬だけではない!!
クルマのエンジンルームは、警戒心の強い野良猫にとって、狭く入り組んでいて外敵から身を隠しやすく、雨風もしのげ、安心して過ごすことができてしまう場所。寒い日に暖を取りに来ることもあるし、暑い日の日差しを避けるようにエンジンルームに潜ることもあります。寒い冬はより注意が必要な季節ではありますが、冬に限ったことではなく、「狭くて暗くて静か」、これが、猫がエンジンルームに入り込んでしまう要因です。
冒頭の事例も、発生は9月下旬のようで、やはり猫たちは安心して眠ることができる場所を求めて、このドライバーさんのクルマにはいり込んでしまったのでしょう。ちなみに、エンジンフードに潜りやすい動物は、猫のほかには、ヘビ、ネズミ、なかには鳥が巣を作っていた、という事例もあるそうです。
猫を発見したら?
エンジンルームのなかは、サスペンションやエンジン、ステアリングラック、トランスミッションなど、車のパーツが隙間なく詰め込まれているようにみえますが、エンジンの熱を逃がすため、わざと隙間が設けられています。猫たちは、このわずかな隙間にはいり込んでしまうのです。ちなみに、大人の猫には狭すぎて入るのが難しいため、エンジンルームのなかに入ってしまう猫の9割を占めるのは子猫のようです。
猫の侵入に気づいたら、まずはボンネットを開け、エンジンルームのなかを確認します。このとき、猫が確認でき、手を伸ばして救出できるようならいいのですが、姿が見えない、もしくは手が届かずに救出が難しいという場合、エンジンルームのパーツをコツコツと叩いてみたり、軽くクラクションを鳴らす、などして、猫が自ら脱出してくれるように促します。「他の猫の鳴き声を聞かせる」というのも有効なようです。
ポイントは「驚かせないこと」。怖がって、奥にはいり込んでしまう可能性があるため、あくまでも猫に「知らせる」イメージで、やさしく発するのがコツです。それらを試しても、どうしても出てきてくれない場合は、JAFなどに救援要請をしましょう。
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