■工場稼働率向上に動くもコロナの動静は“神のみぞ知る”?
トヨタが自社系列のディーラーへ向けて、「2022年1月以降は前年比で工場稼働率を120%にする」としているとのことのようだ。国内新車販売において圧倒的なシェアを誇るトヨタも車種ラインナップが多いなど“所帯が大きい”ために、今回のサプライチェーンの混乱の影響を大きく受けている様子。
しかし、そのトヨタが本腰を入れて現状を改善しようと動き出せば、新車市場の活性化にもつながることにもなるだろう。問題なのは先が全く読めないことなので、これが納期遅延自体は解消されなくとも、先がなんとなくでも見え始めたとなるだけでも販売環境は断然異なってくるはずである。
ただし“神のみぞ知る”という部分は依然として大きい。人口の多い北半球がこれから本格的な冬となっていく。そうなると、広範囲に新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が高まる。さらに北半球が本格的な冬になるタイミングで新たな変異ウイルスが発見されている。再び新興国をはじめ、世界的に深刻なダメージとなれば、ロックダウンなどで工場の操業停止なども再び起きかねない。
世界の首脳が集まる国際会議などで、新興国へのワクチン接種の支援をしようと働きかけているのは、単なる慈善事業ではなくサプライチェーンの正常化をにらんだ動きともいえよう。
すでに販売現場や中古車を“つなぎ”として購入している人の多くは、サプライチェーンの混乱が解消しても納期遅延が落ち着くまでにはさらに年月がかかるとして、「事態が落ち着くまでには2年ほどはかかるのではないか」とする声も多い。
ただ、2022年になると改善への動きはより積極的になりそうなので、まずはそこに期待して事態できるだけ早期収拾されることを願いたい。
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