いよいよ、日産・三菱の協業の成果が登場する――。2021年10月28日、三菱は新型アウトランダーPHEVを発表した。同年12月より発売が開始される。
バッテリー容量を増やして、EV走行での航続距離を延ばすなど、全体的にブラッシュアップされた新型アウトランダーPHEVは、まもなく登場する日産「エクストレイル」と同じ、CMFプラットフォームが採用されている。三菱のプラットフォームが採用されていた先代までとは、一線を画すものとなっている。
CMFプラットフォームの採用で、アウトランダーPHEVはどう生まれ変わったのか、登場を控える兄弟車新型エクストレイルの期待と不安についても触れていく。
文・表作成/吉川賢一、写真/MITSUBISHI、NISSAN、Renault
【画像ギャラリー】見た目は全く違う!! 新型アウトランダーPHEVと同じプラットフォームを採用するクルマたち(28枚)画像ギャラリー頑丈さには定評のあった先代アウトランダー
三菱「アウトランダー」は、グローバルでの累計販売台数が260万台を超えている人気ブランドであり、日本市場での売れ行きからは想像できないほど、海外市場では売れているSUVだ。
北米市場ではすでに、ガソリンモデルの新型アウトランダーが、2020年2月より販売されている。それから1年と9ヶ月がたち、今回、満を持してのプラグインハイブリッド仕様登場、となったわけだ。
北米で販売が始まっている新型アウトランダーの2.5Lガソリンエンジンは、アルティマに搭載されていた直列4気筒ガソリンエンジンの改良版。エクストレイルの北米版である「ローグ」も、2020年10月に発売となっているが、その新型ローグと共用のエンジンだ。アウトランダーの2.4LMIVECエンジンモデルは、2020年10月に生産終了となっている。
今回の新型は、アウトランダーとして3代目。先代の2代目アウトランダーは2012年に登場、高い衝突安全性を狙った、三菱独自の強化ボディ「RISE」(Reinforced Impact Safety Evolution)を採用しており、頑丈さには定評があった。今作の新型アウトランダーでもその考えは投入されており、米国のIIHS(道路安全保険協会)で、最高評価を得ている。荒れた道やオフロードを走っても、「ミシリ」ともしない堅固な感じは、三菱車ならではだ。
ボディを頑丈につくらねばならない理由はほかにもある。フロアにプラグインハイブリッド用のバッテリーが押し込まれているため、衝突時でもバッテリーが破損しないよう、堅固にする必要があるのだ。400ボルトほどの強電バッテリーとガソリンを両方持つプラグインハイブリッドだけに、漏電してガソリンに引火という悲惨な事故は、絶対に避けなければならない。
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