なぜはっきりと価格表示しないのか? 中古車価格ASK(応相談)表示の是非

■自動車販売店が「ASK」と表示せざるを得ない理由とは?

 「ASK」と表示されているクルマは総じて市場の注目度が高い。

 その分、エンドユーザーおよび業者を問わず、価格の問い合わせも多い。その多くが冷やかし半分や興味本位だったりする。

 事実、あまりに冷やかしの問い合わせが多く、売る側が嫌気を差してストックリストから削除してしまうケースもあるという。

 問い合わせがある以上、無視するわけにもいかない。結果として冷やかしだと分かった場合、販売店にとっては無駄な時間を費やすことにもなりかねない。

 販売店の方によると「メール等のお問い合わせがあった際に、お名前とお電話番号を教えていただければ折り返しご連絡いたします」という対応を取っているという。

 すると、実際に8割くらいは返信ないという。これはあくまでも一例だが、8割が冷やかしというわけだ。その反面、残りの2割は電話番号を開示してでも金額が知りたいわけだ。

 それに、不特定多数のユーザーにわざわざ知らせなくともオーナーとなりうる候補者はいくらでもいることも事実だ。

 販売店の常連客や優良顧客が購入してくれるのであれば、わざわざgooやカーセンサーなどの検索サイトに掲載する必要はもないのだ。

答えは1つじゃない!? 「ASK」に秘められた意味とは
あくまでも一例だが「ASK」の問い合わせの実に8割が冷やかしだという。人気車種を商品車に抱えるのもラクじゃない!?

■ASKのクルマを一見客が問い合わせる際に気をつけることは?

 探し求めていたクルマの価格が「ASK」だった場合、多くの人が知りたいのは販売価格だろう。

 予算内に収まるのか、多少無理すれば手が届くのかを見極めるには、商品車を販売している店舗に問い合わせるしかない。とはいえ、なかなか勇気がいることも事実だ。そこで、問い合わせる際に気をつけるべきことをまとめてみた。

◎冷やかしではないことを伝える
 ASKの物件はメールや電話、そして店頭と、多くが冷やかし目的の問い合わせだったりする。本気であれば、その想いをお店側に伝えたほうがいい。

 そして、できるだけ早いタイミングで現車確認の日程を組むか、遠方で難しい場合は車体の画像を添付ファイルに付け加えてメールで送ってもらうよう頼んでみるといい(その際、確認したい箇所や部位を事前に伝えておくとスムーズだ。

 それを回避してくるようなら、何らかの訳ありである可能性もありうる)。もたもたしていると他の誰かに買われてしまうことも充分に考えられるからだ。

◎店舗側のいうことを真に受けない
 筆者も以前、自分が所有していた愛車が売りに出ているのを偶然見つけて、いてもたってもいられずアポイントを取ったことがある。「お客さんで2人目ですね。その後に何十人も控えていますよ」といわれた。

 あわよくば買い戻せないか・・・と画策していたが、その価格を聞いて卒倒した。もはやとんでもないプレミア価格となっていたからだ。「いちど手放した愛車は手元には戻らないと知るべき」いう格言は本当だと気づかされたものだ。

◎最初のひと言は上乗せしている可能性大
一見のユーザーがでどんなことをいってくるかわからないだけに、価格交渉の余裕を持つ必要がある。そのため、販売店が本当に売りたい金額よりちょっと上乗せして伝えることが多い。

◎あまりへりくだる必要はない
 いくら売り手市場であっても必要以上にへりくだる必要はない。ここで横柄な態度を取る自動車販売店はこちらから願い下げだが、意図的にハッタリをかましていることもあるので、このあたりの見極めが難しい。

 冷静な対応と見極めが求められる。こういう時、友人や知人に紹介してもらったうえで「ASK」の物件にたどりつけると理想的なのだが・・・。

なぜはっきりと価格表示しないのか? 中古車価格ASK(応相談)表示の是非
「一度手放した愛車は手元には戻らないと知るべき」。ワンオーナー車のユーザーはこのことを本能的に理解しているのかもしれない

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