■答えは1つじゃない!? 「ASK」に秘められた意味とは?
表面上は「ASK」であっても、その裏側ではさまざまな事情や思惑がうごめいて(?)いることは間違いなさそうだ。そこで「ASKに込められたホンネ」を下記にまとめてみた。
いま、gooやカーセンサーなどで表示されているクルマが「ASK」だったとして、下記のいずれかにあてはまる可能性が高いと思っていいだろう。
今回、実際に自動車販売店が「ASK」に秘められた意味について現場の方にヒアリングを敢行。その事例を下記にまとめてみた。
◎gooやカーセンサー、中古車販売店のwebサイトなどで同じ車種がない:
日本市場で1台しか存在しない車種である場合、圧倒的に売り手にとって有利な状況。販売の主導権を握るために、価格を明示しないことがあります。
◎仕入先(個人)に販売価格を知られたくない:
旧車の場合、買取価格と販売価格が大きく離れていることがあります。某自動車販売店では買い取り価格に対して200万円以上、上乗せしています。それが「相場」です。
しかし、売却したオーナーさんが、自分のクルマがいくらで売られているか気になってネットで検索して見つけるケースも少なからずあります。そのため、売却価格に対して数百万円も上乗せされていると知ると、気分を害したり、時にはクレームを入れてくる方もいらっしゃいます。
そういったトラブルを回避する意味で「ASK」と表示しているケースもあります。また、売却時に前オーナーから「値段見たくないからASKにして」とリクエストされるケースもあります。
◎他店舗の基準にならないようにするため:
どのようなクルマでも売値はお店が自由に決めることができます。しかし、同業他社の販売価格とかけ離れていると買ってもらえません。安すぎても、高すぎてもだめなんです。
しかし、希少車だと比較対象がなかったり、少なかったりするので、売る側も基準となる価格が分からないことがあります。そうなると、商品車を抱える自動車販売店の過去の経験で値付けするしかありません。
逆に、経験のある店舗は、他店の値付けの参考にならないように「ASK」表示にすることがあります。
取材を進めるうちに予想外な意味合いが秘められていることも分かってきた。
◎売却するユーザーを厳選する(したい)ため:
販売価格がASKである以上、販売店にとっても特別な存在であることが多いです。そうなると買ってくれるなら誰でもいいというわけではないことも少なくありません。
店舗なり販売店の社長が「この人になら売ってもいい」と思える方に託したいというケースもあります。車種や店舗によっては社長面談をするところもあるみたいですね。
そういった行程が苦にならない人でないと手に入れるのが難しい車種がある(最近は増えてきている)のも事実だと思います。
◎購入希望者の間口を広げるため:
販売金額だけで判断してほしくない場合に目に見えない失客を防ぐ意味で「ASK」と表示する場合があります。
モニター上で映っている「パッと見た感じ」と「距離」、そして「金額」で判断されてしまうことが多いので、市場の注目度をあげる意味で「ASK」にしていることがあります。
もちろん「ASK」の安売りをしていると効果が半減するのは承知しているので、コンディションが良かったり、整備記録がしっかりと残っているなど売る側としても自信がある場合に「ASK」とすることが多いですね。
◎海外バイヤー対策のため:
いまや貴重な日本車が海外へと流失していることは、多くのクルマ好きの方がご存知だと思います。
「日本人(国内向け)価格」と「海外向け価格」を使い分ける意味で「ASK」と表示しているケースもありますね。ではどちらかが高いのかは・・・お察しください。
このあたりは水際(国内に)で食い止めたいという店舗と、利ざやを稼ぐために海外へと売る店舗で考え方が大きくことなってきます。
ひとくちに「ASK」といってもさまざまな意味合いがあるようだ。
◎販売価格は未定だけど、早く売りに出したいため:
さまざまな事情がありすぐには販売価格は決められないけれど、とりあえず商品車として掲載しておきたい場合も「ASK」と使うこともあります。
◎時価のため相場が流動的:
まるで株式相場のように販売価格が安定しない(上下する、短期間で価格が上昇する)場合も「ASK」と表示します。
こうなるともはや生ものと同じです。1ヶ月前は250万円が相場だったのに、翌週には300万円になった・・・といったケースもあります。売る側としては1円でも高く売りたいのがホンネなので「ASK=時価」の可能性も充分にありえます。
◎実は売る気がないため:
厳密にいえばまったくないわけでもないのだが・・・。よほどの大金を積まれない限り売る気はない場合もあります。ではなぜ商品車として「ASK」と表示しているのかというと、言葉は悪いのですが、要は「客寄せパンダ」です。
希少車、人気車種など、誰もが注目しているクルマを保有している、在庫として抱えているということを誇示するためにストックリストに掲載しているケースも実際にありますよ。
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