最近はガソリンの値上げが著しい。石油情報センターによると、2021年12月6日の時点で、レギュラーガソリンの全国平均価格は1リッター当たり168.0円、ハイオクガソリンは178.8円、軽油も148.8円に達した。
一時期よりは少し落ち着き、前週より0.6円の値下がりで、4週連続値が下がっているとはいえ、レギュラーガソリン168.0円、ハイオクガソリン178.8円は高すぎだ。
新型コロナウイルス問題が顕在化する前は、レギュラーガソリン価格が1リッター当たり147円前後、軽油は127円前後だったから、今は2年前に比べて15%前後は値上げされた。
愛車の実用燃費が1リッター当たり12kmとすれば、1年間に1万kmを走ると、833リッターのガソリンを消費する。レギュラーガソリン価格が1リッター当たり147円なら、ガソリン価格の年額は12万2451円だ。それが1リッター当たり168円に高まると、13万9944円に達する。年額1万7493円の値上げだ。
そこで時代のニーズに応える燃費性能の優れた車種と、流れに逆行する燃費の悪い車種を各5車種ずつ紹介したい。極悪燃費車には、廃止される運命の車種もあり、今だから乗っておきたいクルマともいえるだろう。
文/渡辺陽一郎
写真/トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、三菱、ダイハツ、スズキ、ベストカーweb
■低燃費車1位:ヤリスハイブリッドX(WLTCモード燃費:36.0km/L)
低燃費車をランキングすると、上位はトヨタのハイブリッド、THSII搭載車に独占される。THSのシステムは1997年に発売された初代プリウスから採用され、THSIIに進化した後も、洗練と熟成を重ねてきた。
したがって初期のTHSIIと現在のシステムでは、構成されるパーツは大幅に異なるが、基本となる考え方は共通だ。エンジン駆動とモーター駆動を互いに連係させ、双方のメリットを最大限度まで引き出せるように制御する。
発電機とモーターを両方とも搭載するので、発電とモーター駆動を同時に行える。エンジンの動力も、発電機の作動とホイールの駆動に最適配分され、常にエネルギー効率が最良となるように作動している。
ヤリスでは新開発された直列3気筒1.5Lエンジンをベースに、THSIIを構成している。新型車だから車両各部の摩擦損失も小さい。全長が4mを下まわるコンパクトカーだから、車両重量も1トン少々と軽い。
これらの相乗効果により、ヤリスハイブリッドXは、WLTCモード燃費が36.0km/Lに達する。実際の走行でも、街中と高速道路を両方使った場合、実用燃費が30km/L前後に達することが多い。燃費効率は相当に優れている。
そしてボディが軽いこともあり、加速力も活発だ。14インチタイヤ装着車は乗り心地が硬く、快適性はいまひとつだが、燃費と動力性能は優れている。1年間の走行距離が大幅に伸びるなど、燃費性能を徹底的に追求したいユーザーにピッタリだ。
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