■アップルカー後の世界はどう変わるか
前述のモルガン・スタンレーのアナリストによるレポートでは、ドライバーと同乗者がクルマの中で過ごす時間は年に延べ6000億時間(!)とされる。
特にアップルなどIT企業の多くが本社を構えるアメリカ西海岸では、通勤に自動車は必須な上に渋滞もひどく、公共交通機関が高度に発展している日本の都市部に住む人からは想像もつかないぐらい、多くの有能な人たちの多くの時間がクルマの中で無駄になっている。
完全自律走行が実現すれば、クルマの中で過ごしている時間をより有意義に使うことができ、われわれの生産性をさらに高めることができるとみられている。
また運転のために飲酒を控える、といったこれまでの行動も大きく変わる可能性がある上、サブスクベースでの完全自律走行車のサービスが提供されれば、いままで個々人が負担してきたクルマ購入費、メンテナンス・車検費用、駐車場代や自宅や公共の駐車スペースも不要になる。
そうなれば、カネや土地、時間などの有限な資源がより有効に活用されるようになる。
自分でクルマを運転する楽しみも当然捨て難いが、選択の余地なく長い時間クルマの中で過ごさないといけない人にとっては、アップルカーのようなクルマの完全自律走行の実現は願ってもない喜びだろう。その未来はもうすぐそこまできている。
【画像ギャラリー】完全自律走行車の時代はやってくるのか? アップルカーのウワサとソニーのコンセプトカー『VISION-S』(9枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方