二次被害を絶対に防げ!! まさかの時に命を守る「発炎筒」の使い方

二次被害を絶対に防げ!! まさかの時に命を守る「発炎筒」の使い方

 一年のなかで「薄暮時間帯」の死亡事故件数が最も多いのが11月から年末にかけて。夕暮れが早い冬、「まさか!」の交通事故に遭った場合重要となるのが発炎筒だ。知ってる人は再確認、知らない人は発炎筒のことをもっと知っておこう!

※本稿は2021年11月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか、協力/日本保安炎筒工業会(JSFIA)
初出:『ベストカー』2021年12月26日号

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■年末、そして冬は「薄暮時間帯」は事故件数が多くなる!

警察庁調べのデータ「薄暮時間帯における月別の死亡事故件数」(2016年〜2020年)のグラフ。一年のなかで夕暮れ時間帯が長い10〜12月が多いことがわかる。より注意して運転したいものだ(出典:警察庁ウェブサイト)
警察庁調べのデータ「薄暮時間帯における月別の死亡事故件数」(2016年〜2020年)のグラフ。一年のなかで夕暮れ時間帯が長い10〜12月が多いことがわかる。より注意して運転したいものだ(出典:警察庁ウェブサイト)

 薄暮時間帯は道路状況が判断しづらく、死亡事故件数が多い。上のグラフを見れば、年末にかけて特に注意が必要であることは一目瞭然だ。薄暗い時間が長くなる10〜12月は一年のなかでも事故件数が多い。

「しまった!」と痛感する事故を起こす確率も高いといえるが、そんな時、後続車や道路周辺に緊急性をいち早く知らせる重要なアイテムが「発炎筒」。

 特に高速道路での事故の際、後続車へ危険性をすぐ伝えることは大切。警察庁によると「高速道路上での後続車による事故」は2017年の88件発生以降、2020年にかけてほぼ同じように高い数値という。

 本線車道で後続車にはねられ死亡する『二次被害』を避けるため、警察庁が推奨する「安全行動マニュアル」をギャラリーで紹介する。命を守るために発炎筒の正しい使い方を確認しておきたい。

■知っておきたい! 発炎筒Q&A

道路上で緊急を知らせる際、警察車両も発炎筒をよく使う
道路上で緊急を知らせる際、警察車両も発炎筒をよく使う

 発炎筒についての疑問を日本保安炎筒工業会(JSFIA)に訊いてみた。

Q:どのタイプの発炎筒も、使い方は基本的に同じでしょうか?

A:基本的に同じです。赤いケースを取り外した後、頭部の発火薬を白いキャップまたはケース付属の擦りつけ紙でこすり、着火させます。

Q:明るさは重要と思います。一般的な発炎筒の明るさはどれくらいですか?

A:発炎筒は160カンデラ以上の明るさの赤色炎を出します。これは昼間でも600m以上、夜間では2km以上も先から確認できる非常に強い明るさです。

Q:発炎筒は何分ほど炎が出続けますか?

A:着火後、5分以上燃焼します。この間に車道の外への避難や三角停止表示板の設置など安全確保をしてください。

緊急時はこのように、三角停止表示板と発炎筒の2つを車両の後方に置く
緊急時はこのように、三角停止表示板と発炎筒の2つを車両の後方に置く

Q:雨が降っている時でも発炎筒は使えますか? すぐ消えることはないですか?

A:JIS規格の基準である雨量が約50mm/hの状況でも燃焼し続けるように製造されているため、雨の中でも炎が消えずに使用できます。

Q:発炎筒を使ってはいけない状況はありますか?

A:クルマが事故などで損傷し、ガソリンが漏れている状況では引火の恐れがあるため、そのクルマのそばでは使用しないでください。

Q:クルマに常備する発炎筒は1本で大丈夫ですか。万が一のため2〜3本、車内に常備してもいいのですか?

A:1本で大丈夫です。非常用信号用具の装着義務は「道路運送車両法保安基準第四十三条の二」に明記されています。複数常備も問題はありませんが、専用のブラケットに取りつけ、固定した状態での保管をお願いしているため、1本の常備で充分です。

Q:発炎筒は同じものを車内にずっと備えていていいものなのでしょうか?

A:発炎筒の有効期限は4年です。期限が切れた製品は、車検時などに交換していただくようお願いしています。

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